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転生した剣聖は魔法を極めたい  作者: 空想物語


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2/10

第2話 属性と魔力量

前世では「剣聖」と呼ばれ、剣の道を極めた男。


そんな彼が転生した先は、魔法がすべてを決める世界だった。


「今度こそ、魔法を極めてやる!」


そう意気込んでいたアルだったが、三歳になって受けた魔法力診断の結果は――まさかの「無属性・星一つ」。


期待していた魔法とは、あまりにもかけ離れた結果だった。


果たして、アルはこの世界でどのように生きていくのか。


そして、前世で剣聖だった彼に与えられた「無属性・星一つ」という力には、どんな意味があるのか。


ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです!

僕は水晶に触れた。


――しかし、その瞬間。


何も起こらなかった。


(……何も起こらなかった? なに、も……?)


僕が呆然としていると、神父様が困ったような表情で口を開いた。


「これは……どういうことですか? 神父様」


僕が尋ねると、神父様は言いにくそうに答えた。


「言いにくいのですが……これは、無属性の星一つです」


「……無属性?」


初めて聞く言葉だった。


『無属性』。


それは、魔力を持っていれば誰でも使える属性だ。


しかし、使える魔法は限られている。


一つは『魔弾』。


魔力をそのまま相手にぶつける攻撃魔法。


もう一つは『結界』。


魔力を薄く広げ、身を守る防御魔法。


使う魔力量が少ないため威力も低く、範囲も狭い。


そして何より、汎用性が低い。


(魔力量が……少ない?)


僕はその場で放心してしまった。


前世で剣聖だった僕が、今度こそ魔法を極めようと思っていた。


火を出したり、水を操ったり――。


そんな魔法を使える日を、ずっと楽しみにしていた。


それなのに……。


「どういうことなの? 神父様!」


シリウスが怒ったように声を上げた。


「兄様がそんな結果なわけない!」


「ですが……水晶の結果は絶対です。間違いはありません」


「だけど……!」


「シリウス、もうやめなさい」


父さんが静かに止める。


「……わかりました」


シリウスは悔しそうに俯いた。


◆ ◆ ◆


しばらくして、僕たちは屋敷へ戻った。


すると、姉さんが僕たちに声をかけてきた。


「シリウスもアルも、魔法力診断どうだった?」


姉さんの名前は、カナデ=シィラー。


「私は……星五つ。基本五大属性全部」


シリウスは不貞腐れながら答えた。


「すごいじゃん! ……って、あれ? 何かあったの?」


シリウスの様子を見て、カナデが不思議そうに尋ねる。


「……うん」


すると、父さんが気まずそうに口を開いた。


「あー……実は、アルが星一の無属性なんだ」


「そ、そうなんだ……」


母さんも困ったように笑う。


母さんの名前は、カペラ=シィラー。


「まあまあ、いいじゃない」


「どんまい、アル」


姉さんも僕を慰めてくれた。


そして父さんが、優しく僕に言った。


「アル。魔法力診断がどうであれ、アルは俺の息子だ。あまり気にするな」


「……ありがとう」


僕はそう答えた。


「まあ、別に気にしてないよ」


ぶっきらぼうに答えたが――。


(無属性……だと)


(僕はもっと、火を出したり、水を出したりしたかったのに……)


内心では、めちゃくちゃ気にしていた。


僕が魔法を使える日を、どれだけ楽しみにしていたと思っているんだ。


そんな僕を見て、父さんがもう一度言った。


「でも、魔力量が少なくて、属性がないだけだ。魔法が使えないわけじゃない。だから大丈夫だ」


「でも……兄様は魔法を一番使いたがっていたのに」


シリウスが心配そうに言う。


「まぁ別にいいよ。魔法は使えないわけじゃない」


「……そう。兄様が言うなら」


シリウスはようやく納得したようだった。


そして父さんが手を叩く。


「さて、ともあれアルとシリウスの魔法力診断は終わったんだ。今日はご馳走だ!」


「本当!?」


シリウスの顔が一気に明るくなる。


こうして、僕たちは家族みんなで食卓を囲むことになった。


僕は笑顔を作りながら、心の中で呟いた。


(……まあ、魔法が使えるなら、それでいいか)

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


今回は、アルとシリウスの魔法力診断のお話でした。


シリウスは「星五つ+五大属性」という、とんでもない結果。


一方、アルは「無属性・星一つ」。


前世では剣聖だったアルですが、転生した世界では魔法が重要。


そんな世界で、この結果はかなり厳しいスタートになりました。


それでもアルは、魔法が使えることに変わりはないと自分に言い聞かせています。


果たしてアルは、無属性・星一つという力で何ができるのか。


そして、前世で剣聖だった経験が、この世界でどう生かされていくのか。


これから少しずつ物語が動き始めます。


次回もぜひ読んでいただけると嬉しいです!

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