表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/10

第6話 神農さん

朝。

今日は、休日だ。

目覚めは、スッキリしていた。

ミホとのことを思い出す。

スマホ越しではあったけれど、仲直りできた。

許し合えたのが、うれしかった。

ずっと、友達。

ずっと、親友。

遊呼の心の奥が、ラクになったのだ。


「…遊呼さん。はじめまして」

極楽堂家。

二階の遊呼の部屋。

窓の外に、見知らぬ男性がいた。

「だ、誰っ…?」

恐怖をおぼえながら、遊呼は驚く。

二階の部屋のフチにしがみついた不審者は、恋愛の神様の弟だと、主張している。

ただの、不審者ではないのか?

最近、変なことに巻き込まれている。

その仲間なのは、間違いないだろう。

普通に考えて、不審者だ。

しかし、空中を浮いている。

超能力者だ。

神農しんのうという者です…」

女媧さまの弟の一人だと、不審者は名乗った。

二人の弟がいると言っていた女媧さま。

伏犠くんに続く、もう一人の弟なのだろう。

「“神農さん”と、お呼びください」

「神農さん…?」

「はい」

神農さんはうなづく。

おっとりとした口調だ。

大人びている。

神農さん。

灰色の無造作ヘアの美青年。

「…ちなみに、恋人は募集していません」

ここは、きっぱりとした口調で言う。

恋人を募集中なのは、伏犠くんの方だけだ。

神農さんには、すでに好きな女の娘が決まっているらしい。

空色の長い髪の女の娘。

「それより、ご報告があります」

「…何?」

「三角神社に来てください。よろしくお願いします」

深々と頭を下げる神農さん。

何でも、遊呼の、空狐退治人の協力を求めているらしい。

「空狐の群れが、来ちゃってまして…」

「群れ…?」

何だか、不吉なワードだ。

遊呼は不安をおぼえた。


第6話 神農さん


三角神社。

休日でも、無人の神社。

そこに、空狐の群れがいた。


コオオ…ン

コオオオ…ン


空は、同じ空色の空飛ぶキツネの群れで、ひしめき合っていた。

一匹、二匹、…十匹くらいだ。

鳴き声を響かせながら、空を縦横無尽に飛び交っている。

「…遊呼。遅いんだぞ」

伏犠くんが、慌てた顔で、出迎えた。

手元にいる青いウサギも、少し震えている。

「失礼しますね。遊呼さん…」


ガバッ


神農さんが、ソウルチャイナローブを遊呼にかぶせる。

身体が透明人間になる遊呼。

これで、周辺住民の目を気にしなくてすむ。

通行人も、誰も、霊力の低い人間には見られない。

恥ずかしがり屋のところもある遊呼は、ソウルチャイナローブを着て、少し照れる。

あまり、多くの他人に見られるのは、ちょっと恥ずかしいかもしれない。

「…私、どうすればいいの?」

遊呼は、聞く。

「そうですね…」

悩む神農さん。

空狐は、十匹の群れなワケだが、まだ女の娘の被害は無い。

三角神社を、お参りに来る女の娘を襲うのが空狐だ。

「あの空飛ぶキツネって、女の娘を狙うの?何で?」

「空狐は、天界に住むイタズラ好きな妖怪なんだぞ。三角神社に来る女の娘に迷惑をかけるのを楽しんでいるんだぞ。待ち伏せしてるんだぞ。愉快犯なんだぞ」

伏犠くんが説明してくれる。

青いウサギも、うんうんとうなづいている。

可愛い、青いウサちゃんだ。

「イタズラ…?妖怪…?」

イタズラは良くないこと。

妖怪は、ゲームとかに出てくるモンスターのことだろうか。

なんとなく、遊呼は把握した。

見上げると空狐の群れは、遊呼たちを見つけて迫ってくるところだった。

「うわわ!こっち来るよ…!」

「ソウルハリセンで闘うんだぞ。遊呼」

「ええ?ソウルハリセン…?」

遊呼の手元に光るハリセンが現れる。

また、出た。

テレビで見る、お笑いの小道具だ。

「ソウルハリセンスイングを使うんだぞ」

「ソウルハリセン…スイング?」

何か、聞き慣れないワード…。

ボーッとしてしまう。

すると、空狐退治人の遊呼の近くに、空狐の群れが迫って来てあせることに。

その時、手に持つハリセンに引っ張られる形で、遊呼は身体が勝手に動く。

「な、何…?」


グルーーンッ


大回転する遊呼。

目が回る。

ハリセンが、次々と、空狐の群れを叩く。


バシーッ

バシッバシーッ


ソウルハリセンスイングだ。

ハリセンで大回転しながら、攻撃する。

必殺技だった。

「きゃあ…!」

短く悲鳴をあげ、遊呼は座り込む。

頭が、ぐるぐるとしている。

気持ち悪い。

一方、空狐の群れは、ことごとくソウルハリセンの直撃を受けて、十匹全てが煙りに消えた。

「…十匹全てを一掃したぞ。さすが、空狐退治人なんだぞ!」

「素晴らしい活躍ですね。遊呼さん!」

伏犠くんと神農さんの弟組は、遊呼を称賛した。

「頭、ぐるぐるするー…。何だったのー?」

遊呼は、現状が理解できない。

空狐退治人・遊呼の活躍で、三角神社の危機は去ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ