097●出会いと別れを繰り返して進む時代
さて、もうすぐ出国審査を受けなきゃ。
任務終了。薬物の件は戦車なんかと併せて、解決できたし。
あとは各国のお偉いさんたちが、考えることね。
日本では、目立たないうちに人事異動や懲戒があった。
アメリカでも、同じなのかな?
だけど、こんなに上手く行ったのに、何だか悲しいね。
あっ、ココアちゃん?!見送りに来てくれたの?!
「ココアちゃん!ここ!」
ココアが駆け寄って、互いにハグをする。
なんか、男ふたりはオマケみたいだな。
「俺とジンもいるんだけどな。」
「わかってるって。あなたは、いつもココアちゃんを追いかけてるんだもん。」
いや、そのとおりだけどよ。金魚のフンみたいに言うなよ。
「エイミーさん、いろいろ、ありがとうございました。寂しくなります。」
ジン、あんたみたいに、ちゃんと言えるといいんだが。
「エイミー、すまなかったな。俺、いつも突っかかってばかりだった・・・ような気がする。」
「いいのよ・・・。あっ、ダメダメ!こんな湿っぽいのは、わたしたちに似合わないよ。」
「エイミーさん、絶対に戻ってきてくださいね。これ、局長さんからのお手紙です。」
ココアが差し出した封書に、エイミーは意外そうな表情だ。
「へっ〜、彼が手紙って、そんな一面あったのね。」
「ええっと、いや、あのですね、いわゆる極秘書類なので、帰国したら科学情報局長に間違いなく、渡してくれということでした。」
なるほどね、ジン。局長、わたしを配達人扱いにするなんて、相変わらずよね。
「エイミーさんに託すのが、一番安全だ、って局長さんが言っていましたよ!」
わかった。必ず、女神に届ける。そして、必ず、いつか戻って来るよ。
行っちまったな。なんか、変な気分だ。
明日から、エイミーはいないのか。
まっ、俺も非常勤を解かれて、ジンもラボに戻るんだから、元の鞘に収まるってことだよな。
「アキラさん、寂しそうですよ。わたしにもわかるようになってきましたよ。」
「んなわけ、ないだろ。でもよ、ココア、あんたには会いに行くぞ。いいよな。」
「いつでもどうぞ。ラボでも、家にでも。ブルーマウンテンとバーボン、それに’ココア’を常備しておきます。」
言うね、ジン。
出会いと別れを繰り返して、時代は進んでいくんだな。
これから、どんな連中に会うんだろうな。
まっ、いいか!俺の信条は能天気!
今までも、これからも、これで行こう!
「って、なんで俺達、みんなここで揃うんだあ?!」
「アメリカで1週間の休暇が明けて、出勤したの。うちの局長が、わたしが手渡した’極秘書類’の封筒をくれたの。中にセキュリティ・コアの新しいIDカードがあって。」
「それって、つまり・・・。」
「次の任務先だ、って笑いながらくれたのよお。任期は未定だって。」
「わたしとココアも、新しいIDカード、いただきました。」
ココアにIDカード、もう驚かん!パスポートがおりるぐらいだからな。
「俺、呼ばれて来たら、非常勤じゃなくて常勤で働かないか、だと。結構な給料がでるらしい。あっ、だが、なんか特例で副業もOKなんだと。ルポライターやりながらでいい、っていうんだよ。」
「じゃあ、また、みなさんとご一緒できるんですね!嬉しいです!」
ココア、そうなんだけど。
「また、うまく踊らされてるんじゃない?!」
気が合うな。3人同時だ。




