096●誰なら叶えられる?
この夢、繰り返すなあ。もう、随分、時間がたってる。
でも、夢の中の体感時間って、メチャクチャよね。
盧生は夢の中で、一生分の時間を過ごしたんだもの。
ーこんにちは、お嬢さん。
あら、悪魔ね。コンニチワンニチコ!
ー・・・変わった挨拶ですね。
おっ、ちょっと驚かすことができた!ちいさい時、萌香とふざけて使った言葉よね。
ー今日はプレゼントを持ってきました。
へっ〜、ご親切さま。でも、なんかイジワルあるんでしょう?
ーそんなことはありません。何でも1つ願いをかなえましょう、というのですよ。
あっ、それもよくあるお話よね。確か、制限がいろいろあるのね。
ー長い旅路のアクセントとして、楽しんでみてはどうでしょう?
楽しむのは、あなたの方よね。
う〜ん、この夢を永遠に見ないってのは?
ダメだ、
ジン君に会えないまま終わるってのは、イカン!・・・そうだ、もう、これしかない!
ー決まったようですね。さあ、願いを言ってください。
世界から、戦争をなくしてよ。いつまでも平和な世界が続くように。
あれっ?悪魔、黙っちゃった?
ー・・・その願いは、悪魔では叶えられないですね。
そうかあ、そうよね。きっと、神様の力が要るのね。
ー神の領域でもありません。
じゃあ、この願い、誰なら叶えられるのよお?!
悪魔が遠い目をしている。
ーヒトですね。ヒトでしか、その願いは実現できません。
残念です、わたしは楽しめなかったようです。
・・・では、お嬢さん、旅をお続けなさい。
なんか、拍子抜け。まあ、いいか。




