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087●じゃじゃ馬ならし?
「もうよいのではないか。ウィルフレッダに戻ってはどうだ?」
亡きローレンスの跡を、継がした私が言うのも憚られるのだが。
「父上、エドがもう少し大きくなるまでは、わたくしが兄上の代わりを務めさせていただきたいのですが。」
確かに、エドウィンは、まだ幼い。
わたしがこの傷を負わなければ、あの時、陛下の格別のお計らいがなければ、そして、名目上は男という扱いを受け入れなければ、子爵位を継ぐことはなかったろうに。
「重荷を背負って、よくやっている。しかし、そろそろ婚姻も考える時期ではないか。家門を大切に思う気持ちは嬉しいが、自身の幸せも考えてはどうか。縁談を望むものがあれば、逢うてみんか。」
「家門はいずれ、エドが継いでくれるでしょう。爵位もエドが受け継ぐべきものです。やがて、父上の後継として伯爵位も任せることができます。ですから、そのことは、心配しておりません。しかしながら、婚姻については、さて、この’じゃじゃ馬’に添い遂げることができる男が、おりましょうか?」
うーむ。確かに、お前は活躍しすぎたかもしれん。
「誰ぞ、意中の人物はおらんのか?」
なぜ、赤くなるのだ、ウィル?




