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046●我が名において
「それは誠に王命であるのか?」
「はい、王都からの至急の連絡でございます。」
国境の関門を全て閉じるのか?いや、今、ラベリアからの難民を受け入れている最中ではないか。なぜ、急にこのようなことに。多民族国家での迫害。宗教も異なる。国内が乱れることで、我が国は結果的にラベリアからの圧力を受けなくなっているが。
「我が領内の通行も禁じるというのだな。」
「左様でございます。」
「難民が我が関所に殺到しております!」
「これはいけません。すぐに兵を指し向けて閉鎖をしなければ。ご命令を!」
それでよいのか?わたしは、あそこで何を学んだのだ?助けを求める人々の安全を守らないで、国家の存続だけを考えてよいのか?いや、この領地はラベリアへの防衛の最前線。もし、難民と称して多数の工作員が入り込めば、大変なことになる。この難民事象が、仕組まれていないと言えるのか?・・・どうすればいい?!こんな時、ロイならどうする?!
「・・・門を閉ざしてはならぬ!父に代わり巡検中の、ウィルフレッド・フォンベルト・アンダーソン、我が名において命じる。決して国境を閉じてはならんぞ!すぐに出かける!馬の用意を!」
ロイ、君なら、馬も自分で用意するんだろうな・・・。




