027●バレンタイン、当たり前になるの?
上靴に履き替えていると、彼女が来る。
「おはよう!その後、彼氏とはどうなのかなあ〜?」
「えっ、いや、まあ、いっしょに絵、描いてる。」
「ほっ、ほぉ〜。よろしいなあ。もちろん、あげるんでしょ?バレンタイン・チョコ。」
う〜ん、バレンタインなんて、まだ、そんなに知られていないと思うんだけどな。ラブコメでは見かけるけど。
「どうしよう。なんだか、ね。」
「なあに言ってんのよ!1年にたった1度、乙女が告白できるチャンスでしょうが!あんたがあげないなら、わたしがあげちゃうぞ!」
「いや、それは・・・。」
「ぼやぼやしてると、だれかにとられるよ!わたしは心配だ!」
「うん・・・。」
「で、チョコ、作り方のレシピは、どうなってるの?」
「えっ、やっぱり、つくるものなの?」
「あんたねえ、あの噂、どうなのよ。ジン君に抱きかかえられて駅まで連れてってもらったって。ホントなの?」
「えっ、そ、それは・・・。ほんと、です・・・。」
でも、あれは緊急避難だったし。
「じゃあ、もう、つくるしかないね。王道のストーリー展開!」
ひぇ〜・・・。
「材料、買うよ!放課後、ついていらっしゃい!」
さすが応援団経験者、オシが強い。あれっ、じゃあ、今日は放課後、ジン君に会えないの?!
う〜ん、レシピもらったし、あとはチャレンジあるのみ。彼女のクラスは極秘作戦で、14日の終礼後、男子みんなを残して、クジ引きでチョコをあげるって言ってた。男子って、バレンタイン・デイ、知ってるの?バンアレン帯とまちがうんじゃない?
好きな女の子にはマシュマロ、嫌いな子にはガムをお返しするって、そんなシキタリもあるのね。そのうち、バレンタインってクリスマスみたいに当たり前になるのかな?女の子はみんな好きな男子にチョコを贈るって習慣ができちゃうの?ふっ〜、もう覚悟を決めよう。気合を入れて!がんばれ、わたし!




