021●騎馬戦
休み時間。次は世界史だね。席の近くの男子たちの話声が聞こえる。
「騎馬戦、圧勝だったなあ。」
「あんなにうまくはまるとは思わなかったな。」
このあいだの体育大会のことか。2回とも緑、強かったよね。
「ねえ、うまくはまるって、どういうこと?」口をはさんでみる。
「ああっ、女子は知らないよね。作戦会議をしたときに、1年がいい案をだしたんだ。」
「どんな案だったの?」
例年、作戦は団長と体育委員が中心となって決めている。
本番まであと1週間。男子を集めて、説明がある。3騎が1グループとなって相手の1騎を狙うという、伝統的戦術の1つ。手をあげたやつがいる。1年生?
「はい、君!何かアイデアがある?」団長が指名する。
「ありがとうございます。予選を勝った団どうしで決勝でしょう?2回勝てばいいんですよね?」
「そのとおり。」
「えっと、こういう作戦はどうでしょう?」
あれから何度も練習。他の団には何をしているか、わからないように気を付ける。
足の速くて乗るやつが軽い騎馬。頑丈で乗るやつの背が高い騎馬、まあ、座高が高いやつだな。別々にさりげなく練習を繰り返す。うまくいけばおもしろいな。
アレキサンダー大王の斜線陣、ハンニバル・バルカのカンネの作戦、こんなにうまくいくとは思わなかった。世界史のアワヤ先生が絶賛してくれる。いい気分。みんなで万歳だ!
「で、その1年生ってだれだったの?」
「美術部の1年生って言ってた。物知りだったなあ・・・。」
あっ、ジン君か。キミって時々、大胆になるのね。




