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僕の半年間  作者: まい
2/12

友達として。

夜、寝ていた僕は、スマホの電話着信の音で目覚めた。

見てみると、健助と表示されている。

健助は三咲と僕の共通の友達だった。

よく相談に乗ってもらったり、タブルデートなんかもした。

やっぱり掛かってくるよなあ。

ため息をついてから、泣きはらして腫れた目をこすった。

「もしもし。」

「お前、なんで三咲ちゃんと別れたんだよ!」

お前実は喜んでるんじゃないかと思うような興奮した声。

「ふられた。」

そう言うと、健助は大声で笑い出した。

おいおい、笑うか?普通。

「まあいーじゃん。お前には佑子ちゃんがいるじゃん。」

「いや、あれは1回だけの間違いだ。もうあんなことはしないよ。」

佑子は、僕が浮気した相手だった。

今はこんなにも笑っている健助だが、俺の浮気を知った時は、見たことないぐらい怒って殴ってきた。

それからは、佑子と会うどころか連絡さえとっていない。

「でもいいじゃん。もう浮気じゃなくなるんだから。寂しかったら慰めてもらったらー。」

健助は軽い感じで言うと、また笑った。

ああそうか、これからは、どんな女の子と喋ったり遊んだりしてもいいんだ。

街で見かけた人に一目惚れしても、可愛い女の子に声を掛けてもいいのだ。

好きな子ができたら、告白したって全体いい。

きっと、三咲とは最近感じていなかったドキドキやときめきがたくさんだ。

「そうだな。また誰か紹介でもしてよ。」

もちろん、本気では言っていない。

軽い感じで言うと、健助は急に真剣な声になって、

「ヤケにはなるなよ。」と言った。

「なんでも話聞くからさ。」

ありがとう、と言うと、健助は満足したような声で、じゃあおやすみと笑って電話を切った。

健助と電話をすると、いつも短い。

暇だから電話をしようと言うと、5分や10分で切り上げられてしまう。

そんな健助との電話で、どちらがより短く健助に切られるかを、三咲と勝負したことがある。

…今日の電話は、格別に短かったな。

画面を見てみると、なんと通話時間が1分と表示されている。

これは、新記録だ!

三咲が聞いたら驚くぞ!

 

はっとして、早速三咲に報告しようと開いたLINEのアプリを、そっと閉じた。


三咲とは、中学生の時に出会った。

3年間クラスが一緒だっただけでもすごいのに、まさか高校まで同じだとは思わなかった。

男子や女子だなんて関係なく友達として仲良くしていた僕達の、関係を変えたのはどっちだっただろうか。

高校に入って2年生になって、周りの友人に茶化されるようになり、急に意識をし始めるようになったのは、たぶん僕の方が先だ。

それから人生で初めての告白をして、付き合うようになって、4年も付き合った。

でも、友達でいた期間も4年なのだ。

もう、これっきりなのだろうか。

別れたからといって、連絡をすることも話をすることもダメになってしまうのだろうか。

昔は友達という関係だったのに、付き合って別れると、友達に戻ることもできないのだろうか。

…さっきの健助からの電話の短さを自慢することも、もう一生…。


ボーとスマホを眺めている僕の耳に、どこかから、ガサガサっっという音が聞こえた。

ああ、そういえば、ハムスターの水を新鮮なものに変えていない。

嫌なことは考えず、ハムスターに癒されよう。

スマホを布団の上に起き、ハムスターのゲージへと向かう。

それから朝まで、僕がスマホを触ることも、布団に入ることもなかった。

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