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リリア・テレシア~亜空間魔法の使い手~  作者: シャチ
第3章 宮廷魔導士編

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31.あれから月日がたちまして

 王家の影となったからと言って私の生活が極端に変わったかと言えばそんなことはなかった。

 やることと言えば、レポートが一つ増えたぐらいなものだ。

 宮廷魔導士として魔物討伐の仕事をこなすついでに、行った先の領地の雰囲気などを報告するのが主な仕事で、特に王宮内で何かをするということはなかった。


 とはいえ、あくまでそれは現状は、という但し書きが付く。

 例えば、他国の外交官なりが来訪した際には、亜空間から彼らを監視し続けるというような仕事をすることになるかもしれないが、今のところそのような仕事はなく、平和に過ごしている。

 ちなみにエディには内務伯から各地の様子をレポートしてくれと頼まれたと報告している。

 一応王家の影という存在は秘匿組織であり、仮に私がそうだと旦那であるエディに話すのも問題になるのです。


「最近は特に忙しそうだねリリー」

「魔物の活動が活発になっているのでしょうね。特に対魔法防御を持つ変異種がでてきていますから」

「人間がもつ魔法防御の基礎理論はもしかすると魔物ではないかと言われているね。あの術式はまだ謎が多いんだ」

「謎なのに活用しているんですね」

「便利だからね。しょうがないことだよ」


 4属性を防ぐことができる防御魔法、これについては研究が停滞していたそうだけど私の存在と隣国の聖女、そしてここ最近王国内で頻繁に発生している特定の属性を防御する魔物のおかげで研究が進んでいるそうだ。

 この研究にはメアリー様もかかわっており、たまに私に協力要請がある。

 彼女としては、私の亜空間魔法を魔法防御で防いでみたいらしい。

 今現在我が国に回復魔法を使える人間はいないので、別に防いでしまってもいいだろうという判断らしい。

 無事にほかの属性も防御できれば、より強固な鎧や防護ローブが作られることでしょう。

 どうにも難しいらしいけれど、研究は続けるそうだ。


 そして、数年後には特異属性の魔物の被害は急激に減っていった。

 私とエディの間には3年を発っても子供が生まれず、婚姻5年目にカディル兄さまの第二子であるエレーナを養子に迎えることとなった。

 最悪、私が亡くなると同時にテレシア子爵家も伯爵家に戻すことを考えていたのだけれど、王都のタウンハウスはあれば便利であり、今更手放すのもということとなったので、このような形となった。

 実際にエレーナが養子として我が家に来るのは魔力測定を受けた後となるが、決定事項となった。


 私の亜空間魔法を研究し続けているエディの言い分としては、私が亜空間を通るのが問題ではないか? と推論している。

 仮に子が宿っていても、亜空間とこちらを行き来する際の魔力変動に胎児が耐えられないのでは?ということだ。

 とはいえ、別に流産しているようなことはないと医者にはいわれている。


 こればかりはよくわからない。

 亜空間魔法を使えるのは現状私だけなのだから。


 そんな日々を過ごし、無事にエレーナを養子に迎え、家族が増えた結婚14年目、私は王家の影として、いつもとは違う指示を受けることになった。

 

 貴族学園への潜入捜査である。

 

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