【番外編5】王都テレシア家タウンハウスと結婚式
今日は、リリア・テレシア様の結婚披露会がテレシア家の王都タウンハウスにて行われます。
結婚式自体は1週間前にテレシア領の教会にて盛大に行われました。
申し遅れました、私はロザリンド・オークナーと申します。
子爵家ではございますが、この度王都テレシア家にてリリア・テレシア子爵を補佐する役目として侍女長となったものです。
リリア様には幼少期より仕えるよう両親からも言われておりました。
私としては妹のように思っていたものですが、成人されたリリア様は大変立派になられました。
宮廷魔導士として今後はご活躍しながら、タウンハウスを切り盛りしていかれることでしょう。
ただ、リリア様の魔法は一般的な魔法と違い、特殊属性と呼ばれるもののため一般的な魔法の常識が通じないというのがあります。
何もない場所から突然出現するようになったリリア様には驚かされるばかりです。
お伺いすると、リリア様であれば亜空間でも正気を失わず自由に行動できるらしく、亜空間に隠れた状態から突如こちらの世界に飛び出してこれるのだとか。
心臓に悪いのでやめていただきたいのですが、この魔法は役に立つと旦那様も太鼓判をおしており、よりリリア様の亜空間魔法の研究にのめり込んでいるように見えます。
まぁ少なくともお二人の仲は良好で無事初夜も迎えておりますので、もしかするとお子を宿しているかもしれないリリア様にはもう少し魔法をお使いになるのを控えていただきたいとも思うのですが、こればかりはお二人とも少々「魔法バカ」なところがあるので無理かもしれませんが……
披露会はつつがなく進んでおります。
立食形式のパーティーで王都にいる派閥貴族や学園で仲良くなった者たちをお呼びになられておりますから和やかな雰囲気です。
同じく宮廷魔導士になられた派閥違いのメアリー様とは良い関係を続けていかれるようで、私もおつきの侍女と交流を図っております。
他派閥や他家の情報は下の者のつながりによって得るものですからこういう集まりの際につながりを強くすることは大切です。
旦那もこのあたりの情報を集めているでしょう。
よく誤解されがちですが、メイドや使用人と執事や侍女は仕事が違います。
メイドや使用人はあくまで下働きであり掃除洗濯料理など家事全般をそれぞれ受け持って力仕事をする者たちです。
私の旦那は執事でありタウンハウスの事務方の筆頭です。
侍女である私はタウンハウス内のメイドや使用人をまとめ上げる統括者としての仕事であり、私が直接リリア様のお世話をしたりは致しません。
メイドや使用人たちはパーティー中は給仕をおこなっていますが、私や旦那は領外との外交の一翼を担うわけです。
なので、準男爵の爵位を持ちます。
オークナー子爵家の次女な時点で貴族にとどまることをあきらめていた私は、リリア様のおかげで貴族のままでいられるわけです。
「今後ともよろしくお願いいたしますね」
「こちらこそよろしくお願いいたします」
メアリー様付きの侍女であるカトレア様とご挨拶をして別れます。
これでおおよそとるべき交流はすべて抑えました。
あとは無事にパーティーが終わるよう采配するだけです。
何とか無事におわりそうですけどね。




