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婚約破棄同士ですね。  作者: もっちりワーるど
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登城 -ラフィニア目線-

今回で貴族招集会議まで行きたかったのに…。

いちゃこら書きたい欲望が出てきちゃったのでした。

朝靄が残る中、私とクレール様は王宮へ馬車に乗り、登城しました。

私の膝には、ディボル様たちと夜通し話し合いまとめた書類が入った鞄を携えて。


王宮へ着くと、私たちを待っていたシルビア様付き侍女さんが、城の中へ招き入れました。



「シルビア様から命を受け、お迎えに上がりました。まずは控室を御用しましたので、そちらでお休みください。どうぞ。」



侍女さんが歩く後を追いながら、私達はお城の廊下を歩いていきます。

まだ朝も早いのに、城の中は、多くの人の動く気配を感じました。

これから始まる、貴族招集会議の用意をしているのでしょう。

私は、これからの事を想い、自分自身の身体がどんどん固くなっていくのを感じます。

遂には、足が前に進まなくなるほどに。



「ラフィニア。」


「え?」



歩みを止め俯いた私に、クレール様が私を呼びました。

そして、その声にゆっくり顔を上げると、クレール様が私に手を差し伸べていました。



「大丈夫。」


「………はい。」



不思議な気分です。

これから行われる会議に、失敗出来ない。この国始まって以来の事をしようとしている。

失敗したら、私の命だけでなく、この件に関わったすべての人達の人生を狂わせてしまうのに。

今、この瞬間。

クレール様の優しさに、頼もしさに、私の心が緊張意外のものに包まれた気がしました。



『失敗なんかしません。大丈夫。』



私は頷いて、彼の手を取り繋ぎました。

クレール様は、私と手を繋いだまま、先を行く侍女さんを追いました。

しばらく歩いていくと、侍女さんがある部屋の前で立ち止まりました。



「どうぞ、お入りください。今お茶をお持ちします。」



そう言い私たちを部屋へ通すと、彼女は部屋を一度後にしました。

部屋の中は小さな小部屋で、白を基調にした温かみのあるお部屋です。

私は、クレール様と部屋に2人きりになると、息を吐きました。



「寝ていませんからね。貴女は少し休んでください。」



クレール様は私を気遣って、部屋の中のソファーにエスコートしてくれました。

私は大人しく彼に従い、そっとソファーに腰を下ろしました。

しかし、クレール様は座らずに、私の手を離そうとしたので、少し引っ張ってしまいました。



「ラフィニア?」


「ぁ……いえ……。寝ていないのは、クレール様もですから、座りませんか?その…私の隣で良ければ。」



言葉にしていて、なんだかとても恥ずかしい事を言っていることに気が付き、言葉が尻窄みます。

クレール様は、「えっと…。」と、少し恥ずかしそうにしていましたが、視線を巡らせて、私の右側にある一人用ソファーへ座りました。

隣はやはり嫌なのかなと、少し後ろ向きな気持ちが沸き上がりましたが、彼は私の手を離そうとはしませんでした。

軽い安堵にその繋いだ手を見た後、クレール様を見つめると、



「貴女の隣に座りたいのはやまやまですが、自粛します。この件のすべて片付いたら、その時は貴女の隣に座り、楽しい時間を過ごしましょう。美味しいお茶とお菓子を食べて。いいですか?」


「……はい。」



私は彼の言葉に、この先の幸せな未来を夢見て、目を閉じました。




-----




「ラフィニア。ラフィニア。」


「ぇ?…うぅー………。え?私…!」



クレール様の声で、私は跳ね起きました。

まさか、彼の前で寝てしまうなんて。

淑女としてあるまじき行いに、恥じ入っていると、彼は優しい笑顔で私の顔を覗き込んできました。



「目は覚めましたか?」


「は、はい……。」



起き抜けのクレール様の笑顔は破壊力抜群です。

心臓に悪くて、私は自分の胸に手を当てました。

自分の鼓動が、いつもより早いです。

そんな私の動揺に、彼は知ってか知らずか、私にすまなそうに眉を下げて頭を小さく下げました。



「もう少し寝かせてあげたかったのですが、もう私も行く時間になってしまい…、すみません。」


「いいえ。あの…申し訳ありません。なんて不作法をしてしまったのでしょう。」


「不作法なんかじゃありませんよ。」



彼は、私の髪の毛にそっと触れてくれて、私の動揺を落ち着かせようとしてくれているようですが…。

駄目です!!そんなことされたら、恥ずかしいです。

ワタワタと彼に謝りと、自分の両頬を両手で押さえました。

すると、



「……ラフィニア。」



不意に、彼の声音と表情が真面目になりました。

私もまだ若干頬が熱い気がしますが、気持ちを切り替えて、居住まいを正しました。

彼は、私の両手を優しく包み込み握りました。



「私は、先に謁見の間へ入ります。ラフィニア。…貴女は一人じゃない。この国を一緒に守りましょう。」



彼の決意ある言葉に、私も彼の決意に同調して頷きました。



「はい。」



そして、クレール様と見つめ合い、手を一度ぎゅっと握りあうと、手を離しました。

彼は、私に一つ頷くと、立ち上がり、颯爽とこの部屋から出て行きました。



私は、彼と繋いていた両手を重ねて、祈るように胸の前で組みました。




コンコン。



そこへ、私の部屋をノックする音が響きました。


あらわれたのは………。



最後に現れたのは、敵か味方か。

次こそ、貴族招集会議です。

ラフィニアとシルビアが見せる予定です。

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