2年後
あれから、2年近くになろうとしていた。
美優は結局、連れ戻しに行った母と日本に帰国することはできなかった。
有罪が確定したので、日本への入国が許されなかった。
母は泣く泣く帰ってきた。
優弥は大けがをしたジョーをかわいそうには思ったが、父と父の新しい配偶者への怒りで頭がおかしくなりそうだった。
ただ、美優が父を通じて送ってきた手紙で勇気づけられ、高校だけは頑張って行っていた。
母も美優と一緒に暮らすために、祖父の手伝いは土日だけにして、平日はフルタイムで働く場所を見つけた。
お母さん、優弥へ
お母さん、優弥心配かけてごめんね。
ジョーにはほんとにかわいそうだったけど、私は有罪にはなったものの、罰金とボランティア活動でゆるされました。
ジョーはもう松葉づえで歩けるように回復したようです。
ステファニーとお父さんの新しい赤ちゃんは女の子で、アリソンというそうです。
私は語学研修を寮があるところで続けています。たまにお父さんが会いに来てくれます。
新しい高校と音楽への道は今のところあきらめています。
帰られるものなら、日本に帰りたいです。
お母さん、優弥、知世、おじいちゃん会いたいです。
優弥、お母さん私が帰ってこられる日まで、今まで通りの生活を送っていてくださいね。
お元気で
早く日本に帰られる日を夢見て・・・ 美優より
その手紙がきたのは、美優の有罪判決が出てから1カ月後だった。
あれから、美優からの手紙は届いていない。
母と優弥、知世は何度となく美優へ手紙を書いた。
寮の住所は教えてもらえなかったが、父はひと月に一回は美優に会いに行っているらしかったので、美優には届いているはずだった。




