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植物園で
もう、美優と会える日は来ないと思っていた。
もし帰ってきたとして、夢破れた美優にどう接すればいいのかわからないのも知世の本音だった。
でも、ラベンダーの咲く季節がくると必ず美優を思い出さなくては、私の親友、美優。
そう思って、優弥を誘った。
優弥は美優のB国での一件があって以来、高校も不登校気味になっていた。
しかし、優弥の母の強い美優を連れ戻すという意志に支えられ、そして、美優の2年前の手紙を信じて、早朝に起き、新聞配達をしながら、学校に通っている。
ちょっとした口げんかになってしまった優弥と離れて、バラ園に来ていた。一通りバラを見ていた知世は、優弥とばったり会った。
そして、その人にも・・・
「美優・・・」
知世と優弥、二人が口をそろえる。
ニコッと笑った美優がそこに立っていた。
「ラベンダーの季節には早いけど、知世とここに来たかったんだ~」
「待たせたね、知世も優弥も、2年くらいだっけ」
「もう、待たせすぎだよ」
「明日から毎日ここに来るからね」
知世も優弥もそして美優も泣き笑いになり、抱き合った。
少し遠くから、美優と優弥の母と父が同じく泣いてるのか笑っているのかわからない表情で3人を見ていた。
ぐんぐん伸びていく草木の緑と今にもこぼれ落ちそうな空の青さのコントラストがきれいな5月の空だった。




