家族別れ
すごい勢いでどんどん歩いていく知世を優弥は小走りで追っかけ、肩をつかんだ。
「美優は三山に言えなかったんだよ」
「なんで?なんで私には何も言ってくれないの?」
「私、いつも美優のこと気にしてるつもりだった」
「木島君が言ったじゃない、美優をよろしくなって」
「確かに、私は、夏休み、不確かな情報で美優を傷つけてしまったけど、ずっと美優と一緒に思ったのに、女の友情なんて、こんなもんなのね」
優弥は知世を学校の近くの公園のベンチに座らせると自分も隣に座った。落ち着いてくれとでも言うように。
「夏休み、三山のクラスメートが見たのは、俺たちの親父だったんだ」
「え?」
「もちろん、美優は化粧もしてなかったし、私服だったけど、保護者だから問題ないだろ?」
「で、うちの親父は、最悪なことに向こうに家庭ができてしまったからって言いに帰ってきたんだよ」
「それを母さんに言う前に、美優に言ってたわけ」
「俺や母さんじゃ、逆上するとでも思ったのか?」
「悪いけど、おじさん最低だね」
「美優がそれを許すとでもいうわけ?」
「美優だったら、とりなすとは思ったのかな?実際、先週、最後の家族旅行で北海道に行ってきたけどな」
「それで、美優は親父の新しい家族と暮らすわけではないんだけど、B国で語学留学して、B国の音大に行くとか言い出して・・・」
「俺や母さんと一緒にいるのが嫌なのかわかんないけどさ」
「それって、私にも嫌気がさしてるってことなの・・・」




