文化祭の準備
夏休みもあけ、普通の高校生活が始まった。
でも、知世と美優はもう一緒に登校はしていなかった。
今までも、部活の朝練のときは別々に行っていたけど、あの騒動のとき以来、美優は知世を避けるようになっていた。
たまに見かける優弥のことも気になったが、元気なく笑いかけ、すぐ家に入っていくので、話しかけることもできなかった。
文化祭まであと2週間。知世のクラスでは、喫茶店コーナーを作ることになって、お菓子作りの好きな子がクッキーを焼いてくることになっていた。知世は裁縫が得意な子が作ってくれた、うさぎの着ぐるみを着て、接客をすることになっていた。
美優は話しかけようとすると、ふいっといなくなるので、2学期に入ってから、話してない状態なので、わからないのだが、何の係りをするんだろう?と思っていた。
例の噂の発信源、テニス部の須藤夏樹が意地悪そうに言った。
「姫さー、喫茶店手伝わないみたいよ。あたしたち、部活もあるのに、準備で忙しいのに、姫ってほんとわがままだよね。シスターに説教部屋に連れて行ってもらいたかった」
他の子たちが同調した。
すかさず、知世が反論した。
「その、夏樹が言ってたオジサンと歩いてた化粧した人って、美優じゃなかったよ。誰か別な人だったんじゃないの?」
「それって、姫があんたにそういっただけでしょ」
「それとも、知世、あんた私が嘘を言ったとでもいいたいわけ?」
不服そうに目を吊り上げて夏樹が言った。
廊下を走る音がした。振り返ると美優だった。




