第十話:覚悟
「さてさて、準備は万端だな」
「あれから1日しか、経ってないけど…?」
「こういうのは早いほうがいい。
時間を掛ければ掛けるほど説得は難しくなる。
ただでさえ、お前はこの現状で対応できてしまってるんだ。
論破するのが難しい。
いいか?相手の土俵に立つと、俺達子供は勝てない。
相手は凝り固まった老害と同じ、超頑固者だ」
私の両親に凄い言い様。
「…だからと言って、学校を休んでしまっては説得力に欠けてしまうのでは?」
「じゃあお前の両親はいつ帰ってくるんだ?
筋を通さず、お前を家に置くと、後々面倒なことになって、強制されるのがオチだ。
そうなる前にお前の両親を論破する。
言っておくが、お前が自由になる手はこれしかないぞ?
タクシーで帰ってんだろ?
なら貯金してないってことだ。
つまり、一人暮らしする金がない。
ましてずっと俺の家に入り浸ってたんだ。
俺はお前が家事できないのを薄々理解してるつもりだ。
金があるからと外食を続けていた結果だな。さて、ここで七瀬、聞くぞ?
七瀬はどうやってご両親から自由になる?」
「……世一君の家に住まわせてください」
「その言葉を俺から言わせたことに悔しさを感じるが、仕方ない。
では、七瀬の家に向かうとしよう」
ーーーーー
朝6時から、七瀬の家に張り込みすること、4時間。
遂に家へと入っていく男が来た。
「よし行くぞ。まずは七瀬、お前が家へと入るんだ。
そして少し話せ。
だめなら俺に電話。駆け付け、インターホン。
そこからは俺のターンだ」
ーーーーー
「…七瀬!お前!学校はーー」
「こうでもしないと、話せないですから」
「………何の用だ」
「お願いがあります。
…好きな男の子がいるんです。
その男の子が、一人暮らしをしていて、同棲の許可をください。
……お願いします」
「駄目に決まっているだろう!!」
「では聞きます。
私は真面目に生きてきたつもりです。
あの時言われた通りに一人で。ずっと。
学年1位だって取っています。
彼の成績はクラス順位5位。
学年12位です。素行だって悪くありませんし、部屋にも行っていましたが、とても綺麗です。
彼には生活能力があります。
信三さんと新菜さんとは違って」
「……だめだ」
「どうしてもですか?」
「…ああ」
「そうですか」




