決戦の日
「何?謎の冒険者達が各地で魔物を退治してるだと?」
フォレスタア王国国王ギガンタスは、報告を受けて目を細めた。
「圧倒的な武力で王都に向かってます」
「恐らく名のある冒険者かも知れん。いつチビエマ王国が攻めてくるか分からない今、冒険者達に助力を申し出て守って貰うのも一つの手だな?」
笑ってギガンタスは決断を下す。
「各地の冒険者を王城に呼び出す」
「承知致しました」
こうしてギガンタスの命令で手紙は届けられた。
王都前森の中で。
私が夜営をしていると、他の部隊を含めたレギオン騎士団長とマトバ副団長が合流した。
「作戦通りだな、連中は俺達を冒険者だと思い込んで居やがる」
レギオン騎士団長は笑って串肉を食べる。
「後は王城に攻め込むだけですね」
マトバ副団長も微笑む。
「明日は決戦の日です。三年間の屈辱を晴らして全力を尽くします」
私も頷いてスープを飲んだ。
翌朝、チビエマ王国騎士団は王城を包囲した。
王城を守る近衛騎士団は、突然現れたチビエマ王国騎士団を見て慌てたが敵ではない。
「用があるのは国王と貴族だけだ。退きな、グラビティフィールド」
レギオン騎士団長の重力結界が近衛騎士団達に膝を着かせる。
悠々と私達はその中を歩いて進む。
この途中、バレンタイン公爵家によって補給もした私達は万全の装備だった。
玉座の間に着くと、逃げたのか他の貴族や国王の姿が無かった。
「隠し通路の出口はマトバが回り込んで塞いでいる。外に出るぞ」
「はっ!!」
レギオン騎士団長に言われ、私も慌て外に出るべく踵を翻した。
フォレスタア王国とチビエマ王国では国力の差がある。
最初から和平を結んだままで、私を使者として丁重にもてなせば良かったのに。
私はがらがらになった王城でそう思った。




