騎士団の作戦
翌朝、騎士団本部で騎士団会議が開かれた。
「陛下は騎士団だけに任務を任された。って事はだ、俺達が上手く攻めれば良いって事だ」
レギオン騎士団長は笑って言う。
「ですが、普通に攻めたら関係無いフォレスタア王国の民にも被害が出ます。狙いはあくまでも貴族や王族です」
そう進言するのは、紅色の髪の美しき青年。
マトバ・ゼターニャ。チビエマ王国騎士団副団長。
「けど軍服で攻めれば簡単にバレるぞ?籠城なんかされたら中々落としにくい」
「時間もコストも掛かるのはナンセンス。どうか一思いに一気に落とせれば良いのですが」
「気取られないように奇襲するにしても、どうやって行くんだよ?」
他の部隊の隊長達が話し合う。
「冒険者の格好をして、各地に散り魔物を倒しながら王都を目指すのはどうですか?フォレスタア王国には冒険者が居なくて魔物の被害が大きい。それに対処していけば民の支持は得られるしフォレスタア王国にも怪しまれない」
「ですが、貢献すれば何れはフォレスタア王国国王に気付かれますよ?呼び出された時はどうするのです?」
私にマトバ副団長が聞いてきた。
「その呼び出しに応じて王城に来れば、後は正体を現して攻めるだけですよ」
ニッコリ笑って私は答えた。
「冒険者として動いて正体を隠し、王城に呼ばれて攻めるか……。面白そうだな、その案に乗るぜ」
レギオン騎士団長が了承してくれた。
「出立は明日の明朝!!冒険者の格好をして定期船に乗るぞ!!」
「「「おう!!」」」
レギオン騎士団長に命じられ、皆は返事をした。
その日に会議を終えた私達騎士団は、冒険者の服や、防具、装備を身に付けて明朝の定期船の飛行船に乗り込んだ。
ゴウンゴウンッ
飛行船の中には、騎士団しか乗ってなかった。
「フォレスタア王国直行便で、レギオン騎士団長が貸し切りにしたんですよ」
マトバ副団長が答えてくれた。
「貸し切り……成る程」
それで私は納得する。
空の旅は、順調に進み四時間程で飛行船はフォレスタア王国の国境地帯に着いた。
「部隊ごとに各地に散らばれ。魔物を倒しまくって名声を上げろ。国王に呼び出し貰うようにな!!」
レギオン騎士団長は私達に命じた。
私は海側の地域から進軍することにした。
「スケアクロウ、偵察頼む」
「はっ!!」
副隊長であるスケアクロウに私は命じた。
それから二時間後。
「地元の村人達は、海の魔物に困っていました。Sランクのクラーケンが出没するようです」
スケアクロウは戻ると私に報告する。
「ならば、クラーケンを討伐するぞ」
私は命じると、部隊を率いて海へと入る。
身体強化魔法を使って海へ出ると、クラーケンが現れた。
「クラーケンが出たぞ!!一斉攻撃しろ!!」
直ぐに私は命じると、魔力を放出する。
私の魔法は雷魔法。
水属性の魔物にとって相性がよい。
「ライジングサンダー!!」
ゴロゴロドカーン
「ギシャアアアッ!!」
私が魔法を放つと、クラーケンは直撃を喰らって身を仰け反らした。
「アイスナイフ!!」
「ウィンドウカッター!!」
「フレイム!!」
次々と部隊からも魔法攻撃がクラーケンに炸裂する。
「シャドウナイフインパクト」
スケアクロウの魔法で、無数の影のナイフがクラーケンに降り注ぐ。
「ギシャアアアッ!!」
クラーケンは断末魔の声を上げて絶命した。
討伐完了だな
海にプカプカ浮くクラーケンを見て、私は笑みを浮かべる。
「クラーケンを解体して食べよう。地元の村人達にも炊き出しを行う」
「はっ!!」
直ぐ様私は命じると、踵を翻す。
その夜、クラーケンを使った料理は地元の村人達にも感謝され宴が開かれた。
翌朝、私達は出発すると各地の魔物を討伐しながらさらに数日掛けて王都を目指した。
行く先々で民に感謝され、私達は気を良くした。
一週間後、王都の手前の街まで来ると、国王からの手紙を渡しに使者が来た。
手紙を確認すると、私達を呼び出す内容だった。
「直ぐに王城へ向かいます」
「御待ちしてます」
私は使者に答えると、使者が頷いて去って行った。
……計画通りだと王城で合流するな。
頷くと私は、部隊に命じて王城を目指し出立した。




