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バレンタイン公爵家使用人の闘い

クズイールとデフリーヌは、フォレスタア王国の国王ギガンタスに呼び出された。


「貴様らなんて事を仕出かしてくれたのだ!?悪魔のようなチビエマ王国に喧嘩を売りおってからに!!」


ギガンタスは、二人を怒鳴り付ける。


「御言葉ですが陛下、俺は美人より太っているデフリーヌを愛したんです!!」


「ミルフィーユより私は愛する気持ちなら負けませんわ!!」


クズイールとデフリーヌは抱き合う。


「こいつらを牢屋にぶちこめ!!」


「「はっ!!」」


ギガンタスは近衛騎士に命じる。


「きゃあクズイール様あ!!」


「デフリーヌ!!」


二人は引き離され、引き摺られるようにして地下牢屋にぶちこまれるのだった。


「ミルフィーユを捕らえよ!!チビエマ王国に帰還させては駄目だ!!」


「はっ!!」


直ちにギガンタスは近衛騎士に命じる。


王都にあるバレンタイン公爵家の屋敷は、たちまち近衛騎士団に取り囲まれた。


「ふむ、来ましたか」


初老の燕尾服を着た執事長セバスチャン・シュワールが一人前に出る。


「ミルフィーユ公爵令嬢の身柄を引き渡して貰いたい」


近衛騎士団長がセバスチャンに言う。


「御断りします。坊っちゃんなら既に発たれましたよ。一足遅かった様ですな」


にこやかに笑ってセバスチャンは答えた。


「ならば、屋敷の使用人全員を捕らえるまで!!掛かれ!!」


近衛騎士団長が命じる。


近衛騎士達が剣を抜いて斬りかかって来た。


「ふむ」


次の瞬間、セバスチャンは魔力を放出して零神領域を展開する。


屋敷全体を凄まじい暴風が荒れ狂いながら吹き荒れる。


次々と近衛騎士達が吹き飛ばされていく。


「まさか……零神領域!?」


近衛騎士団長は愕然として、セバスチャンを見る。


「チビエマ貴族に仕える使用人が弱くては大切な主を守れません。高位貴族に仕える使用人は、元0ランクが普通ですよ。まぁ、例外で側に居る事が出来ず守れなかった使用人も居りますがね」


セバスチャンは散歩するような足取りで、暴風の中を歩き近衛騎士団長の前で止まった。


「さあて、このまま私と闘いますか?」


ニッコリと笑ってセバスチャンは問い掛ける。


「くっ!!」


近衛騎士団長は、セバスチャンに恐怖を感じると踵を翻す。


「撤退せよ!!」


近衛騎士団長は命じると、生き残った近衛騎士団を纏めてバレンタイン公爵家から撤退するのだった。


フォンッ


セバスチャンが零神領域を解除すると、風がピタリと止んだ。


「骨がない騎士団ですねぇ。我が王国の騎士団とは大違いです」


呆れた顔をすると、セバスチャンは屋敷へと戻る。


屋敷には二重に結界魔法を掛けてあったので無事だった。


ちなみに、他の使用人は。


料理長Zランク。


メイド長Yランク。


庭師Xランク。


他のメイドや執事達はWランク。


元冒険者活動経験者も多いので、屋敷に侵入されても問題なかった。


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