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銀河鉄道チビエマ列車でチビエマ王国へ

馬車には、侍従のスケアクロウ・ブラックバードが待っていた。


私は結わえた銀色の髪をくしゃりと掻いて、髪飾りを外すと足を組む。


「やっと窮屈な格好から解放されたよ。同じ男とベタベタしなくちゃいけないのは苦痛だった」


溜め息混じりに私は愚痴を溢す。


「ミルフィーユ坊っちゃん、三年間良く我慢されましたね。公爵令息を令嬢と間違えて婚約を結ばせるだなんて馬鹿な国です」


スケアクロウは苦笑する。


「だから滅ぶんだよ、母上達から淑女教育を受けつつのフォレスタア王国での暮らしは苦痛だったぞ」


そう、私はミルフィーユ公爵令息だ。


騎士団二番隊隊長として活躍していた私は、エマネット国王に身分から使者として指名され来たのだ。


所が、思わぬ婚約。


エマネット国王は大爆笑。


レギオン騎士団長も爆笑。


勘違いは好都合と言う事で、公爵令嬢として成りきることにしたのだ。


それも全て今日で終わりだ。


走り出した馬車の中で私は命じる。


「屋敷はそのままチビエマ王国の拠点として残す。今夜中に銀河鉄道チビエマ列車でチビエマ王国に帰還して報告する」


窓の外を見れば、チビエマ商人の馬車が同じように先を急いでいた。


「承知致しました」


スケアクロウは恭しく返事をした。


屋敷に戻ると、必要な荷物を纏めて私とスケアクロウは他の使用人に屋敷の守備を任せて駅へと向かう。


既に銀河鉄道チビエマ列車には、次々と乗り込むチビエマ達が居た。


チケットを買い、指定席に私とスケアクロウは座った。


ポウッポポウ!!


銀河鉄道チビエマ列車の汽笛が成り遂に走り出す。


途中まで地上を走り抜けると、レールは徐々に上に上がって行く。


シュシュシュッ


ポポポッ


レールを走りきり、銀河鉄道チビエマ列車は空へと飛翔する。


窓から見える景色はチビエマ王国と比べて、灯りが足りず暗かった。


「レギオン騎士団長にまた笑われるな」


私は上司の笑い声を想像して肩を竦めた。


「ギャオオ!!」


その時、銀河鉄道チビエマ列車にSランクのワイバーンが襲い掛かる。


だが、銀河鉄道チビエマ列車の運転席天井が開き、格納されていた魔道砲が姿を現す。


「魔道砲エネルギー装填!!」


ビルルルッ


魔道砲は、大気を漂う魔力を収束させ装填した。


「目標前方ワイバーン!!魔道砲発射!!」


ドゴンッ


「ギャウ!?」


魔道砲はワイバーンの腹部を貫いた。


そのまま絶命したワイバーンは山脈地帯に落下して行く。


銀河鉄道チビエマ列車は、宮廷魔術師達が威信を懸けて作った最高列車。


勿論武装兵器も沢山ある。


そのあと、銀河鉄道チビエマ列車はチビエマ海の上空を走り抜けてチビエマ大陸に渡る。


そこから高度を下げて行き、チビエマ王国の王都チビエマ駅に到着した。


チビエマ王国の王都チビエマは、眠らない小人の街と言われている。


夜でも昼間のように明るい。


「王城に行くぞ」


「はい」


私はスケアクロウに命じて駅から王城に向かうのだった。


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