バッドトリップ
腰まで伸びた鮮やかなピンク色の長い髪に、妖しくも美しい金色の瞳を持つ、身長170cmのスリムでグラマラスな超絶美女、服装は シンプルでプロポーションが際立つ白のビキニにアウターは、上から男物のオーバーサイズ白シャツを羽織っているだけ。シャツの上のボタンは常に大きく開かれており、豊かな胸元がこれでもかと強調されている。オーバーサイズゆえにワンピースのように着こなしているが、裾からは白のビキニパンツと、すらりと伸びた美しい太ももが剥き出しになっている露出が半端ない。足元は 動きやすく洗練された綺麗なデザインのサンダル。性格は天真爛漫で愛嬌があり、人を魅了する天性の資質。これだけ聞けば露出狂の魅惑的な女性だと思うだろう。しかし、彼女は自由奔放な遊び人。常に借金取りから追われている破滅型の堕落の女王サクラなのだ。
彼女のオーバーサイズの胸元へ俺の視線は釘付けになり、俺は逃げることができなかった。彼女を追って来た黒服のサングラスかけた数名の男たちに俺は瞬時に囲まれてしまった。
「キイィィィィィィィィ」
俺がピンチだと思い、クロエは俺の前に立ちはだかって、髪の毛を逆立てて黒服を威嚇する。
「ク……クロエ、絶対に手を出してはいけない」
この黒服の男たちも俺は知っている。王都にはカジノがある。そのカジノを仕切っているのは王族だ。王族の庇護下にあるカジノの店員に手を出すのは極刑に値する。それに、悪いのカジノの店員ではなくサクラだ。サクラは生粋のギャンブラーで、しかも……ギャンブルに弱い。今回もカジノで負けて、払う金がないので逃げて来たのだろう。ブサイクな俺なら、色目を使ったら助けてくれると判断して俺を身元保証人だと嘘をついたのだ。
「ガマガエルのお兄さん、私を助けてくれたら今夜は好きにしてよいわ」
サクラは俺の耳元で囁いた。俺の視線はサクラの豊満な胸に釘付けだ。さらに追い打ちをかけるように俺に胸を押し当てて、悪魔のささやきを呟く。俺の体はほてるようにあつくなりサクラの肉の誘惑にすぐに陥落した……いや、違うのだ。俺は知っていたはずだ。サクラの天性のスキル【バッドトリップ】。このスキルはサクラの不運を肩代わりしてしまうスキルだ。サクラの魅力を感じてしまうと、サクラを守ってあげたいと強制的に心が働いてしまうのだ。俺はまんまとサクラの術にはまってしまった。
「いくら用意すればよいのだ」
思っていないことが声から出る。
「そいつの負け分は100万円だ」
「クロエ、100万円を渡してくれ」
「ガマちゃん……本当にいいんっすか?」
「かまわない」
クロエはさきほどギルドで得た報酬の100万円を黒服に手渡す。黒服は中身を確認すると笑顔に戻り「またの来店をおまちしております」と言って去って行く。
「サンキューね!」
サクラは俺にウインクをして、走り去る。俺は呆然とサクラの後ろ姿を見ることしかできなかった。




