『頑ななる石の心、初めて愛に脈打つ時』
いつも『地獄の化身』をお読みいただき、本当にありがとうございます!
実は私、毎日15時間という非常に長い勤務時間の中で働きながら、なんとか時間を作り出して執筆を続けております。仕事の疲れはありますが、この物語への情熱と読者の皆様に楽しんでいただきたいという一心で、日々全力で書き上げています。
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今後ともよろしくお願いいたします!
キョウノは静かな足取りで学園へと向かった。
周囲の空気は一変していた。
行き交う生徒たちの視線——それは蔑みと嫌悪、そして背筋を凍らせるような根深い「恐怖」が入り混じった異様なものであった。
キョウノはその群衆を完全に無視し、静かに教室の扉を開けた。
窓際の席に腰を下ろし、頬杖をついて一瞬だけ瞳を閉じる。
再び目を開け、何気なく窓の外の裏庭へと視線を向けた時——彼の思考が完全に停止した。
そこに佇んでいたのは、一人の少女。
純金のように輝く金髪と、翡翠のごとく澄んだ「緑色の双眸」を持つ可憐な存在。
その瞬間——キョウノの全身に電撃が奔った。
胸の奥で、脈打つ心臓が狂ったような激動を始める。
これまで味わったことのない灼熱と衝撃に、キョウノは弾かれたように窓から身を引いた。
顔を伏せ、荒い呼吸を整えようと seat(席)へと戻る。
その時、背後から影が伸びた。
ラオが不敵な笑みを浮かべながら声をかけてくる。
「おいおい、どうしたんだ? 親友。何をそんなに慌てている?」
ラオの傍らには、栗色の髪と深い海のような「青い瞳」を持つ少女が佇んでいた。
キョウノは警戒の色を隠さず、低い声で問うた。
「……誰だ、その女は」
ラオは軽やかに応じた。
「彼女はエイミだ」
キョウノが冷徹な視線を向けると、エイミは彼の紅潮した顔と眉間の creases(皺)を目ざとく捉え、不思議そうに呟いた。
「顔が真っ赤だよ……どうかしたの?」
キョウノは極めて真剣な、怒りすら孕んだトーンで言い放った。
「……呪いを受けた。今すぐその術式を見破り、解除する方法を知りたい」
エイミは目を丸くした。
「呪い……? 一体どんな?」
キョウノは窓の外を指差し、忌々しそうに吐き捨てた。
「裏庭にいるあの女だ。奴と目が合った瞬間、私の肉体に異常な熱が走り、心臓が爆発せんばかりに脈打ち始めた。凶悪な精神攻撃の類いに違いない」
エイミは窓の外の金髪の少女を見やり、続いてキョウノの真迫した顔を見つめた。
やがて、彼女の唇に可笑しそうな笑みが浮かんだ。
「ねえ……それは呪いなんかじゃないよ」
キョウノは目を鋭く細めた。
「ならば何だというのだ!?」
エイミは静かに、しかし決定的な一言を告げた。
「それはね……『恋』っていうんだよ」
「……コイ……?」
キョウノは眉をひそめ、不快感を露わにした。
「くだらん。どうすればその『恋』なる現象を消滅させられる?」
エイミは苦笑しながら首を振った。
「消滅なんて無理だよ。この世のどんな存在も、それだけは滅ぼせない。たとえ宇宙最強の力を持っていたとしてもね」
キョウノは鼻で笑い、傲慢な冷笑を浮かべた。
「ハッ……戯言を。私に滅ぼせぬ概念など存在しない。この宇宙のあらゆる理を粉砕してみせる」
エイミは面白がるように言った。
「だったら、直接確かめてくれば? 彼女の名前を聞きに行きなよ」
キョウノはプライドを露わにし、威風堂々とした足取りで裏庭へと降り立った。
少女の目の前に立ち、圧迫感に満ちた声を浴びせる。
「おい、貴様! 名は何という!?」
少女は驚く風もなく振り向き、花がほころぶような笑みを浮かべて愛らしく応えた。
「私の名前は……ヒカリだよ」
その瞬間——。
彼女の鈴の鳴るような声と、溢れんばかりの愛らしさがキョウノの五感を直撃した。
地獄の化身たる少年の思考が完全にフリーズする。
全身の毛穴が逆立ち、胸の鼓動が限界突破の音を立てた。
あまりの「破壊力」に耐えかねたキョウノは、一言も返せぬまま——脱兎のごとくその場から逃げ去ったのだった。
――(つづく)――
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