【第十話:時間開門と紅蓮の真実】
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第十話をお読みいただきありがとうございます!
時間遡行の先に待つ記憶と、ヒカリの真の目的とは……!?
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キョウノは大きな樹木に背を預け、乱れた呼吸を整えていた。
そこへ追いついてきたラオが、顔を真っ赤に染めたキョウノの姿を見て腹を抱えて爆笑する。
「ハハハ! おいおい、たかが女子一人でそこまで顔を赤くするのかよ、親友!」
キョウノは紅蓮の双眸でラオを睨みつけ、低い voice で呟いた。
「……お前は、一体誰だ?」
その瞬間、ラオはピタリと笑いを止め、その表情から笑みがすっと消えた。
キョウノをまっすぐ見つめ返し、真剣かつ困惑した声で呟く。
「……待て。俺が誰かって? むしろお前こそ……一体何者なんだ? お前から離れると、なぜかお前の顔や存在そのものが霧散するように記憶から薄れていく……」
キョウノは険しい顔のまま、ラオの隣に腰を下ろした。
二人は静かに並んで地面に座る。
キョウノは胸に手を当てながら低く呟いた。
「……奇妙だ。我々の間には深遠な繋がりがあるはずなのに、記憶の底がそれを拒絶している」
ラオは虚空を見つめながら、どこか冷ややかな笑みを浮かべた。
「奇遇だな……俺も全く同じだ。まるで会うたびに、お前との初対面を繰り返しているような感覚に陥る」
まさにその瞬間——周囲の空気にあたたかな光に包まれ、まるで天から舞い降りた天使のように、ヒカリが二人の前に姿を現した。
ヒカリは可憐な歩みで二人の隣に座り、首をかしげて尋ねた。
「ふふ、お二人のお知り合いなの?」
二人は顔を見合わせ、異口同音に答えた。
「いや……だが時折、魂の繋がりを感じるほど絆が深まることもあれば、互いの存在を忘れてしまうこともあるんだ」
ヒカリはふっと優しく微笑み、語り始めた。
「ねえ……実はね、私は普通の人間じゃないの。……私は『天使』なの」
キョウノは納得したように頷いた。
「……なるほど。だからお前を見た瞬間、私の胸の鼓動が激しく暴走したのか。お前が天使だから……すべて合致した」
ヒカリは顔を真っ赤にして照れながら、「あ、本当?……きっと、それが理由だね」と返した。
だが、その心の中では猛烈に突っ込んでいた。
(……天使を見たからって、心臓が爆発しそうになるわけないでしょ、この鈍感男!)
キョウノは声を潜め、ヒカリに問うた。
「……私とラオの間に何があるのか、知っているか?」
「ううん、知らないよ。……でも、時間を遡って二人のかつての記憶を探しに行くことならできるかも」
キョウノとラオは目を見開いた。
「時間遡行……!? そんな魔法がこの世に存在するのか!?」
「うん。でもそれには、マナの上位存在……膨大な『シャーロン(Charlon)』の魔力が必要になるの」
キョウノは迷いなく告げた。
「ならば私が膨大なシャーロンを供給しよう。私とラオの真実を確かめてくれ」
「分かったわ。……ところで、あなたの本来の魔力属性は何なの?」
一瞬、周囲を重苦しい静寂が支配した。
キョウノは静かに口を開く。
「……『紅蓮の炎』だ」
その言葉を聞いた瞬間、ヒカリの瞳が恐怖で凍りついた。
「世間が知る私の属性は『炎』と『紫翡翠』の二つのみ。紅蓮の炎の存在を知る者は、今やここにいる者たちだけだ」
「……了解したわ。それほどの魔力なら十分。タイムトラベルの術式を展開するから……耐えてね!」
「フッ、私を誰だと思っている」
ヒカリは詠唱を始めた。
『荒廃せし大地よ、咲き誇る花々の地よ……時の理を司る存在よ、我らを二人の出会いの起点へと導きたまえ!』
キョウノがヒカリの体に手を触れ、絶え間なく圧縮されたシャーロンの魔力を流し込む。
あまりの圧力と衝撃に、ヒカリはきつく唇をかみ締め、激しい負荷に耐えた。
やがて空域が歪み、巨大な【時の扉】が目の前に開かれた。
三人は真実を解き明かすべく、未知なる過去の渦の中へと飛び込んでいった——。
(——果たして、ヒカリの真の意図とは何なのか? なぜリスクを冒してまでキョウノを助けるのか? その目的は、次回明らかに……!)
――(つづく)――
【次回予告】
次回の第11話は、10時間以内(あるいはそれより早く)に更新予定です!どうぞお楽しみに!✨




