第7話:闇の芽生えと、二つの歪んだ正義
【読者の皆様へ】
最後までお読みいただきありがとうございます!
今回の第7話は執筆スケジュールの都合により少し短めの更新となってしまい、大変申し訳ありません。
次回の【第8話】は、明日(本日公開から24時間後)に投稿予定です!さらに怒涛の展開が待っていますので、ぜひお楽しみに!
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ほんのわずかな時間が流れた——。
墓標の前に、一人の少年が静かに佇んでいた。
キョウノの瞳からは完全に光が消え失せ、底のない井戸のような死んだ目となっていた。
キョウノは墓前に膝をつき、氷のように冷たい声でつぶやいた。
「あなたがいない世界など、滅ぼしてしまえばいい……。誰も虐げられない世界を俺が作る。俺の道を阻む者の首をすべて跳ね、暴君どもの骨を噛み砕き、虐殺者どもの eyeball(目玉)をえぐり出してやる……。魔術という概念そのものを、この世から絶滅させてやる」
奥歯を強く噛み締め、顔の半分は絶対的な暴力の影に覆われていた。
その時……彼の脳裏に恐ろしい事実が突きつけられた。
あの惨劇の場に、父親の姿がなかったのだ。
その瞬間、キョウノは冷徹に誓った。
この手で父親を屠ると。
(人生はキョウノに一度として愛を与えなかった。幼少期も、青春も。運命は彼を少しずつ化け物へと変えていった……「イリス・ローデン」をも超える残酷なモンスターへと)
魂の壊れたキョウノは、追われている身であることを自覚しながら町へと向かった。
路地の壁には、自分に2000金貨の懸賞金がかけられた手配書が貼られていた。
しかし不思議なことに、誰も近づいてはこない。
何の危険も感じなかった。
だが、彼が現実へと意識を戻した時……惨劇に気づいた。
絶望に沈みながら歩いていた彼の体から、地獄の力が毒のように漏れ出していたのだ。
彼が通り過ぎた半数の人間は、その威圧だけで心臓が停止していた。
道の両側には悶絶する死体の山ができていた。
息絶えようとしている子供たちを見つめても、キョウノの瞳はピクリとも動かず、何の感情も示さなかった。
彼が歩みを進めるにつれ、背後の道は血生臭い映画のワンシーンへと変貌していく。
飛散する首、弾け飛ぶ喉と心臓。
全身に返り血を浴び、血の匂いを吸い込んだ瞬間、異常な「歓喜」が彼を支配した。
力をさらに放出し、周囲のすべてを無差別に破壊し始めた。
キョウノは静まり返った。
「人間の絶滅こそが己の安らぎ」だと確信したからだ。
彼の心に黒い正義が芽生えた。
イリスの正義は「暴君の不在」だったが、キョウノの正義は「人類そのものの不在」へと歪んでいた。
その漆黒の思考が頭を破裂させそうになった——その時!
—— ドカッ!
顔面の骨を砕くほどの強烈な一撃!
キョウノは吹き飛ばされ、壁に激突して肋骨を粉砕された。
血に染まった目をうっすらと開けると……そこには橙色の瞳を持つ少年、「ラオ」が立っていた。
ラオは血まみれのキョウノの前にかがみ込み、毅然とした声で言った。
「正義とは人間を屠ることじゃない。屠るべきは『貪欲』と『暴政』だ。たった一人の罪のために、すべての人間を責めるな……お前だって、かつては人間だったろ」
その瞬間、キョウノの脳裏に白昼夢のような記憶が過った……その内容はまだ明かされない。
だが……キョウノはゆっくりと立ち上がり、人生で初めて……微笑んだ。
何百万年も前から知っていたかのように手を伸ばし、ラオと握手を交わした。
「……俺が愚かだった。すまない、ラオ」
ラオはニッコリと笑って答えた。
「謝る必要はないさ、……『キィ』」
キョウノは尋ねた。
「寮に戻って、飯でも食うか? ……お前に約束したのを覚えてる」
ラオは頷き、二人は共に歩き出した。
【ヘル・エンティティ(地獄の存在)の真実】
100万年に一度、超自然的な異端の存在が誕生する。
しかし今回、運命は二つの存在を産み落とした。
二つの違いはただ一つ。
第二の存在は強さにも改革にも興味がなく、強敵に対して抗い続ける「プライド」すら持ち合わせていないということ……。
――(つづく……)――




