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『神々の獣と影の救出』

ゼノスは憎悪に満ちた瞳でキョウノを睨みつけ、叫んだ。




「貴様ごときの姿に、このわしが恐怖するなどと思うな!!」




ゼノスは容赦なく己の胸元に手を突き立てると、その『核コア』を鷲掴みにし、封印の鎖を力任せに粉砕した。


次の瞬間、ゼノスから禍々しい紅蓮の炎が爆発的に吹き出し、全身が地獄の業火を纏う圧倒的な姿へと変貌を遂げる。ゼノスはそのままキョウノへ向かって猛然と襲いかかった。




ゼノスが放った決死の一撃を、キョウノは難なく受け止める。


二人の拳が激突するたび、周囲の街や大地がメキメキと崩壊し、辺り一帯はすべてを呑み込む炎の海へと化した。




しばしの拮抗の後、二人は距離をとる。


意思を失い、本能のままに動くキョウノの右手から、漆黒の地獄の剣が形成される。対するゼノスもまた、己の『核コア』から核の剣を引き抜いた。




二人は静かに間合いを詰め——次の刹那、音速を超えた剣戟を交わし合う。


刃と刃がぶつかり合う衝撃波が、世界の空気を激しく揺るがした。




その惨劇の光景を、遠くからミリナが息を呑んで見つめていた。




激闘のさなか、ゼノスの剣がキョウノの胸を深く貫いた。




「ハハハ! 言ったはずだガキども、貴様らではこのわしに勝てぬとな!!」




ゼノスが術式を発動すると、凄まじい炎がキョウノの体を内側から焼き尽くし、一瞬にして黒焦げの骸へと変えた。


勝ち誇るゼノス。……しかし次の瞬間、キョウノの全身が怪しく脈動し、一瞬で元の姿へと再生を果たす。




キョウノは間髪入れずにゼノスの髪を掴むと、そのまま首筋へと食らいつき、その肉を喰らいちぎった。




「ぐあああああッ!?」




キョウノの体内で力が狂乱するように跳ね上がる。


ゼノスは必死に振り払おうとするが、キョウノの「呪われた唾液」が全身に回り、体が痺れて指一本動かすことができない。




「放せ……放せ、この化け物がッ!!」




ゼノスの絶叫も虚しく、キョウノの拘束は強まる一方だった。キョウノは容赦なくゼノスの肉体を喰らい続けていく。


喰らうごとにキョウノの姿は変貌を遂げ、かつての世界を統べた偉大なる存在——『アイリス・ラウデン』を彷彿とさせる禍々しくも神聖な姿へと進化を遂げていった。




充分に力を吸い尽くすと、キョウノはボロ雑巾のようになったゼノスを無造作に地面へ投げ捨てた。


そして、キョウノの手の甲から巨歯を剥き出しにした「巨大な口」が突如として出現し、ゼノスを丸呑みにせんと襲いかかる。




死を覚悟したゼノス。——その時!




漆黒の『影』が超絶な速度で割り込み、間一髪でゼノスを抱え上げると、そのまま闇の彼方へと疾走し脱出したのだった。




——つづく

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