『絆の拒絶と血塗られた覚醒』
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異形へと変貌を遂げたラオは、ゆっくりとナオに向かって歩を進めた。
その圧倒的な異形を前に、ゼノスの瞳は恐怖に染まり、なりふり構わず叫んだ。
「ナオ……逃げろ!! 逃げるのだ!!!」
その瞬間、異形の体がドクリと脈動した。
次の刹那、ナオの両腕と両脚は影も形もなく消滅し、無残に地面へと崩れ落ちた。
四肢を失い倒れ伏すナオへ、異形のラオが静かに近づく。彼はナオを軽々と持ち上げると、その鋭い手を容赦なく胸元へと突き立て、その『核』を鷲掴みにした。
ラオの手に力がこもり、核が粉々に砕け散ろうとしたその時——。
「……やれ」
血を吐き出しながら、キョウノが絶え絶えの声でラオを見つめていた。
「……それで俺の苦しみも終わる。やれ……ラオ」
その言葉に、異形の動きがピタリと止まった。
異形だった顔が歪み、徐々にラオの本来の素顔へと戻っていく。ラオは温かい眼差しでキョウノを見つめ、静かに微笑んだ。
「……だが俺は、お前に死んでほしくない」
その言葉は、キョウノの凍りついた心を強く揺さぶった。
——しかし、その感動の瞬間は凄惨な音と共に打ち砕かれる。
激しい衝撃がラオの無防備な顔面を直撃し、彼の頭蓋骨を粉砕した。
崩れ落ちる視界の中、ラオの目に映ったのは、己の返り血で両手を赤く染めたゼノスの姿だった。
ゼノスはニヤリと歪んだ笑みを浮かべると、己の手についたラオの血を舐めとり、一気に飲み干した。
直後、ゼノスの体が狂乱するように脈動を始める。その全身は禍々しい紅蓮の鎧へと変貌を遂げていった。
重苦しく響く声で、ゼノスは嘲笑う。
「ガキども……本当の『紅蓮の力』の使い方というものを、貴様らに教えてやろう」
——つづく
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