『堕天の告白、狂乱の脈動』
【読者の皆様へ】
第十話をお読みいただきありがとうございます!
時間遡行の先に待つ記憶と、ヒカリの真の目的とは……!?
面白いと思っていただけたら、ぜひページ下部の**『★』評価やブックマーク**で応援していただけると大変嬉しいです!よろしくお願いします!✨
ラオはキョウノをじっと見つめ、静かに口を開いた。
「……俺たちの『繋がり』の正体が、ようやく分かった気がする」
「……話せ。何に気づいた」
キョウノの問いに、ラオは静かに、だが確信を込めて答えた。
「おそらく……あの時割れた化け物の『片われ』は、俺の中にいる」
その言葉を聞いたキョウノの瞳に、納得のの色が浮かんだ。彼は静かに己の頭を押さえ、低く呟く。
「……なるほど。お前も『融合』の段階を経たということか」
「融合……? 何のことだ。俺はそんな経験はしていない」
ラオの困惑した返 we 答に、キョウノの声が微かに震え始めた。
「思い出せ……何でもいい。光り輝く洞窟……あるいは、風化した古い椅子……何か記憶にないか!?」
「……すまないが、何も思い出せない」
キョウノはゆっくりと立ち上がり、背筋を伸ばした。そして、静かな歩調でヒカリの前へと歩み寄る。
その瞳で彼女を射抜き、低く囁いた。
「……お前とアイリスの『関係』は何だ」
ヒカリは息を飲み、言葉を詰まらせながら唾を飲み込んだ。
「私……私は、あの存在のことをそこまで深く知っているわけじゃ……」
「なら、どこまで知っている。覚悟を決めて話せ」
ヒカリは視線を落とし、意を決したようにポツリポツリと語り始めた。
「以前……私は天使だと話したよね。天使の役目は、新たに生まれる魂を集め、しかるべき肉体へと宿すこと……。そして何より重要な義務は、不吉なる【紅蓮の力】に魂が接触し、融合するのを阻止することだった」
彼女の瞳に深い陰りが落ちる。
「もし融合が起きれば……そこに誕生するのは『アイリス・ローデン』と呼ばれる怪物。あの紅蓮の炎は融合の痕跡……生後ゼロ日であるはずの幼き魂を、一瞬にして二千年の時を経た完全なる覚悟と意思を持つ魂へと変貌させてしまうの」
ヒカリは震える手で己の胸を抱きしめた。
「私は……紅蓮の炎に魂が近づくのを防ぐ『監視者』だった。けれど、私自身の【正義】の概念が……炎の中に宿ろうとする魂を見過ごさせてしまったの。そして私の『絶対なる正義』と、人間界を統べる『五人の王』への思想は……皮肉にも生み出された存在、アイリス・ローデンへとそのまま引き継がれてしまった……」
彼女の頬を涙が伝う。
「でも……今のあの子の正義は、私の描いた正義とはかけ離れてしまっている。私の正義が、矛盾に満ちた怪物を作り出してしまったの……。そして命令に背いた罪で、私は翼を奪われ、天界から追放された落天使となった……」
ヒカリは膝をつき、絞り出すような声で頭を下げた。
「ごめんなさい……キョウノ。あなたをこんな地獄に巻き込んだのは……結局、私なの……」
その瞬間——。
キョウノの全身から、凄まじい【憎悪】と【殺意】が解き放たれた。
世界が鳴動する。
周囲の家々の壁に亀裂が走り、空間全体が灼熱の熱気に包み込まれた。キョウノの体を覆うのは、沸き立つような禍々しい紅蓮のオーラ。
「そこまでにしろ」
ラオが咄嗟にキョウノの肩を強く掴んだ。
「これ以上怒りを撒き散らすな。彼女はもう謝っている」
キョウノは、爛々と怪しく光り輝く両眸でラオを睨みつけた。
重苦しい静寂の後、キョウノは短く息を吐き出すと、ラオの手を荒々しく振り払った。
そして一言も発することなく、闇の中へと歩 network 去っていくのだった——。
——つづく
【読者の皆様へ】
第十話をお読みいただきありがとうございます!
時間遡行の先に待つ記憶と、ヒカリの真の目的とは……!?
面白いと思っていただけたら、ぜひページ下部の**『★』評価やブックマーク**で応援していただけると大変嬉しいです!よろしくお願いします!✨




