第125話 選ばれた世界
何も、変わらないように見えた。
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風は同じように吹き、
人は同じように歩く。
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だが、
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確かに変わっている。
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連合の門。
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出入りする人の数が増えている。
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使者。
運搬。
報告。
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すべてが、
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止まらずに動いている。
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「忙しくなったな」
レオンが言う。
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「ええ」
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私は頷く。
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「止められないので」
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一拍。
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「回し続けるしかありません」
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マルタが笑う。
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「面倒な制度だな」
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「ええ」
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否定しない。
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中央のように、
速くはない。
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分散のように、
安定もしない。
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ガルンのように、
軽くもない。
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だが、
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全部がある。
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その日、
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一つの都市から報告が届く。
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「防衛の判断が遅れた」
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被害あり。
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中央なら、
防げたかもしれない。
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別の都市。
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「判断を現場に任せた結果」
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「混乱発生」
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分散なら、
まとまっていたかもしれない。
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さらに別の場所。
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「資源配分で衝突」
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ガルンなら、
流せたかもしれない。
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だが、
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どれも、
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完全ではない。
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「どうする」
レオンが言う。
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私は言う。
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「次で変える」
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それだけだ。
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固定しない。
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それが、
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この制度だった。
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ガルンからも報告が来る。
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「接触都市、増加」
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広がっている。
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完全には、
取り込めない。
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だが、
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排除もしない。
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その間にある。
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リアが訪ねてくる。
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「安定しませんね」
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「ええ」
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一拍。
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「しません」
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彼女は少しだけ笑う。
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「それでも選ばれた」
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私は答える。
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「選ばれ続けています」
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一度ではない。
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毎回だ。
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イェルクも来る。
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「効率が落ちている」
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「知っています」
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「それでも続けるのか」
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「はい」
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即答する。
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彼は何も言わない。
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ただ、
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少しだけ頷いた。
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夕方。
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広場に人が集まる。
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新しい判断。
新しい配分。
新しい役割。
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決める。
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その場で。
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必要な形で。
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そして、
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また変わる。
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完全ではない。
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だが、
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止まらない。
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私は空を見る。
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あの日と同じ空。
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だが、
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違う世界。
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選ばれたのは、
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正解ではない。
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選び続けることだった。
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