第126話 それでも選ぶ
朝は、変わらず来た。
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風は穏やかで、
空は静かだった。
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何も終わっていない。
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だが、
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何かは確かに終わっていた。
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三か月。
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その時間は、
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もう戻らない。
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広場には人がいる。
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昨日と同じように、
話し、
決め、
動いている。
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違うのは、
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それを当然だと思っていないことだ。
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「今日の配分はどうする」
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「変える」
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「理由は」
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「必要だから」
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短い会話。
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だが、
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それで動く。
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決める。
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その場で。
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その時に。
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固定しない。
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それが、
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この世界の形になった。
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レオンが隣に立つ。
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「結局」
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一拍。
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「正解はなかったな」
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私は少しだけ笑う。
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「ええ」
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「ありませんでした」
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マルタが言う。
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「じゃあ無駄だったか?」
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「いいえ」
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私は首を振る。
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「選べるようになりました」
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沈黙。
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ルーカが言う。
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「それが一番面倒だな」
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笑いが少しだけ起きる。
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だが、
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誰も否定しない。
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面倒だ。
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だからこそ、
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必要だった。
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遠くで子どもが走る。
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笑っている。
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あの日とは違う。
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救えなかった命がある。
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それは消えない。
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だが、
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だからこそ、
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選び続ける。
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それしかない。
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リアが歩いてくる。
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「安定はしません」
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「ええ」
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「それでも続ける?」
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「はい」
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一拍。
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「安定よりも」
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「壊れない方を選びます」
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彼女は少しだけ頷く。
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イェルクも遠くから見ている。
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何も言わない。
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だが、
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否定もしない。
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完全な勝者はいない。
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完全な敗者もいない。
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ただ、
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残った。
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それだけだ。
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私は空を見る。
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変わらない空。
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だが、
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もう同じではない。
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制度は決まった。
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だが、
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答えは決まっていない。
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これからも、
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選び続ける。
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その時ごとに。
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その場で。
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その人で。
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風が吹く。
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すべては、
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変わり続ける。
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だから、
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止まらない。
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それでも、
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選ぶ。
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それが、
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この世界の形だった。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
この物語は「正解」を出す物語ではなく、「選び続けること」を描いた物語でした。
少しでも何かを感じていただけたなら、とても嬉しいです。
もし楽しんでいただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると今後の励みになります。
またどこかで、この世界の続きを描くことがあるかもしれません。
そのときは、ぜひまたお付き合いください。




