第120話 踏み出す一歩
「責任を取れ」
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その言葉は、
まだ残っていた。
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評議会の空気は冷たい。
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誰も動かない。
誰も引かない。
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ただ、
線だけが引かれている。
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対話か。
排除か。
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私は立っている。
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もう、
引けない場所に。
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「では」
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クラウスが口を開く。
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「確認する」
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一拍。
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「ガルンとの対話を選ぶのか」
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「はい」
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即答する。
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迷いはない。
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リアが言う。
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「その場合」
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「連合の方針に反する」
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当然だ。
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イェルクが続ける。
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「つまり」
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一拍。
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「単独行動だ」
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沈黙。
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それは、
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切り離しに近い。
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レオンが一歩出る。
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「俺たちも行く」
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短い言葉。
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だが、
空気が揺れる。
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マルタも言う。
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「一人じゃない」
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ルーカが笑う。
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「面白そうだしな」
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その軽さが、
逆に重い。
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クラウスが言う。
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「許可はできない」
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当然だ。
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だが、
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「求めていません」
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私は言う。
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沈黙。
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完全に、
線が引かれる。
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イェルクが言う。
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「ならば」
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一拍。
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「責任はすべて負うことになる」
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「分かっています」
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その言葉で、
すべてが決まる。
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リアが言う。
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「戻れませんよ」
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「ええ」
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一拍。
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「戻るつもりはありません」
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静寂。
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もう、
同じ場所にはいない。
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連合の一員でありながら、
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同じ方向を見ていない。
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それが、
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決定的だった。
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クラウスが言う。
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「では」
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一拍。
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「連合は予定通り動く」
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排除。
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それが、
正式に決まる。
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私は頷く。
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「こちらも動きます」
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同時に。
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同じ場所に向かって。
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違う目的で。
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外に出る。
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空気が変わる。
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もう、
戻れない。
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レオンが言う。
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「本当に行くんだな」
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「ええ」
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一拍。
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「見ないと」
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「何を」
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私は答える。
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「制度の外を」
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風が吹く。
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三か月。
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残り、
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わずか。
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だが、
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その中で、
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すべてが変わる。
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馬を用意する。
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動きは速い。
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中央と同じだ。
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だが、
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目的は違う。
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守るためではなく、
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知るために。
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レオンが乗る。
マルタも。
ルーカも。
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誰も止めない。
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止められない。
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連合の門を出る。
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背後に、
視線を感じる。
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敵ではない。
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だが、
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味方でもない。
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その間に立っている。
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それが、
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今の自分だった。
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前を見る。
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ガルンの方向。
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そこに、
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答えがあるかは分からない。
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だが、
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見なければ、
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選べない。
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馬を走らせる。
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風が強くなる。
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制度の戦いは、
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次の段階へ進む。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ついに主人公が“行動”を選び、物語は完全に次のフェーズへ入りました。
ここからは、連合とガルン、そしてその間に立つ選択がぶつかっていきます。
もし続きが気になると感じていただけたら、ぜひブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。
次話では、ガルンで待つ“答え”にさらに踏み込みます。
ここから一気に核心に近づきます。




