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選律の星環譜  作者: 刹那
37/67

影輪応用

夜。中庭。小雨なし/風は弱。

石畳の黒円に、四角白点(角濃)を透明シートで覆い、その外周にランタン三基で影の輪を作る。

輪はやわらかい灰。端に吸水スポンジとタオル。


掲示の臨時紙が一枚。


影輪応用ハイブリッド

基準の優先=角>影>中点。通常は角(左上)。影が揺れたら中点で二拍固定。

遮蔽/滲みで角が使えないときは角順位で切替(左上→右上→左下→右下)。

合図=短音のまとまり/前後半拍→最後→二拍。走者のみ白点、非走者=退避線(一足幅)で床白線。


ルナが短く整える。

「四問。対象=三人、場所=中庭の黒円+影輪、主体=監督者、時間=本セッション。EP-1=各自1回」


楓が小声。「胃評議会、夜は温かいスープ希望」


「可決」


—扉が音を立てずに開く。黒鐘イツキが入る。監督者へだけ会釈。こちらは見ない。距離は一定。



◆ハイブリッド要約(30秒)



三ノ宮が顎でコツ。「短く」


『角>影>中点』


『揺れ→中点/滲み→角順位』


『前後半拍→最後→二拍』


ミレイユ教官が一行足す。「影の輪は“外枠”。走者のみが参照」


(外枠、分かりやすい)



◆セットW(初動の一本)



前静0.5拍→ピッ→後静0.5拍。


A=俺が反応→当て(軽)。交代の二拍で短く置く。「角=左上」——EP-1、回収。


前静0.5拍→ピッピ→後静0.5拍。


B=イツキが姿勢→反応。終端前に低く一言。「合図→止まる」。


前静0.5拍→ピッピッピ→後静0.5拍。


C=楓が反応→当て。影の輪は静か。角は左上。二拍で止まる。肩は沈む。


ログ(W)


誤読:0


逸脱:0.4%/0%/0.5%(A/B/C)


退避線:遵守(非走者=床白線)


EP-1:A=『角=左上』



◆小トラブル1(風→影が揺れる)



二本目の交代直前、風が一段だけ強くなり、輪の縁が波打つ。角は見えるが、外枠が揺れる。


胸の中にポコン……。


A:角のまま / B:中点で固定(二拍)


「B。中点」


—二拍の頭で影輪の中点へ視線だけを落とし、最後→二拍で揺れを吸収。角の左上はそのまま心の位置に残す(体は角、目は中点)。


イツキも同じ操作で0%。楓は半拍遅れて中点へ——肩が浮きかけ。


「呼吸前倒し」ルナ。


楓は二吸で沈む。


ログ(風)


処理:『揺れ→中点』


逸脱:0.6%(楓のみ)→修正


SY-肩:浮きかけ→呼吸✔



◆小トラブル2(滲み→角順位)



志水が霧吹きで白枠の上辺をうっすら湿らせる。左上がぼやけた。


胸の中にポコン……。


A:左上続行 / B:右上へ切替


「B。右上」


二拍の頭で角=右上へ切替。外枠=影輪は中点を保ったまま。二重基準で安定。


ログ(滲み)


角切替:左上→右上(二拍の頭=100%)


逸脱:0.5/0/0.6%(A/B/C)



◆割込み(猫と缶)



三本目。植え込みの向こうで缶がコロン。猫のシャッという小音。前静の0.3秒後。


胸の中にポコン……。


A:続ける / B:E-12bで二拍静止


「B。二拍」

——最後の音の終わりから二拍静止。角=右上、中点=維持。非走者は退避線で床白線。再開。


ログ(割込み)


E-12b:成立×1(延長不要)


誤読:0



◆影輪の回り込み(方位のズレ)



雲が切れて、ランタン影が少し回転。輪の北側が薄く、南側が濃い。


胸の中にポコン……。


A:角だけ見る / B:影=方位を短語で置く


「B。短語」


交代の二拍で俺が短く置く。「影=南濃」——EP-1(二人目)扱いにしない短語(記述のみ)。


ミレイユが補足。「方位は記述、EP-1は別で一回に限定」


イツキが合図後に本来のEP-1を置く。「前後半拍」。楓は温存。


ログ(方位)


メモ:『影の方位=短語記述(EP-1とは別枠)』


EP-1:B=『前後半拍』/Aは記述のみ



◆休憩帯(スープで+1)



楓が温かいスープを配る(+1)。真白はタオル吸水で**+1**。胃評議会は満場一致で可決。


「角>影>中点、いける?」


「いける」イツキが小さく頷く。



◆仕上げ(ハイブリッドの一本)



最後の一巡。1→2→3。


A=俺:影=中点を維持しつつ、角=右上で二拍。終盤で短く「時間の穴→静止」(EP-1回収)。


B=イツキ:0%で通し、交代の二拍に前後半拍を口で一言(EP-1は先に達成済)。


C=楓:風の弱揺れに合わせ、中点→角を二拍頭で再同期。肩は沈む。


集計(本日)


R-5(ALT-02通算/夜間ハイブリッド) n- 誤読:0


逸脱:0.6%/0%/0.6%(A/B/C)


例外:E-12b×1(猫缶)


角切替:左上→右上(滲み)


揺れ→中点:有効(風)


協調:+2(スープ/吸水)/干渉:0


三ノ宮がスタンプを押す。「影輪応用:運用可。外枠=影/中心=角/揺れ=中点。掲示へ追記」


ミレイユが二行で締める。


『角>影>中点』


『方位は記述/EPは別』


—イツキは会釈だけして去る。夜気は冷たいけれど、二拍は温度に強い。

輪の影が丸いまま、足音はたん、たん、たん。



◆廊下(二択)



掲示板に小紙が増えた。


【掲示】影輪応用:外枠=影/中心=角/揺れ=中点。方位=記述。前後半拍→最後→二拍。


胸の中にポコン……。


A:この学園で静かに暮らす / B:全力で勝ちにいく


「保留」——夜でも、短い言葉が効く。影も角も、中点も。今日の速度は、これでちょうどいい。

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