朝礼共有
朝。講堂。
天井は高くて白、床は木目、前方だけ**黒円+白点+退避線(一足幅)**が臨時で組まれている。
両脇に掲示三枚。
【三音整流】最後で数える/前後半拍/視線で主体
【退避線】走者のみ白点/非走者=一足幅内で床白線
【協調と干渉】支援は休憩帯+1/名目干渉−2
(今日の朝礼は“共有”だ。学年横断で、線を同じにする日)
司会は三ノ宮。横にミレイユ教官、記録に志水。見学席の端に黒鐘イツキ。
楓と長谷、真白は前方の補助に回る。ルナは白板の前でペンを持つ。
◆導入(アジェンダ三つ)
三ノ宮が短く告げる。「一、三音整流。二、退避線=一足幅。三、会話テンプレβ」
ミレイユが白板へ三行。
『最後で数える』
『前後半拍』
『走者のみ白点/非走者=退避線』
(胃評議会は“朝は炭水化物”に全会一致。うん、知ってた)
◆デモ(1→2→3の一本)
前静0.5拍→ピッ→後静0.5拍。A=俺が反応→当て(軽)。最後→二拍、白点。
前静0.5拍→ピッピ→後静0.5拍。B=イツキが姿勢→反応。終端前に低く一言。
「合図→止まる」——EP-1、回収。
前静0.5拍→ピッピッピ→後静0.5拍。C=楓が反応→当て。交代の二拍で短く置く。「交代=白点」
ログ(講堂デモ)
誤読:0/退避線:遵守/EP-1:B・C達成
—後方で小さな「おぉ…」。でも、半分くらいは「え、二拍ってどれ?」という顔。
◆観測(反応のばらつき)
志水が色カードを配る。緑=分かった/黄=だいたい/赤=まだ。
集計:緑42%/黄46%/赤12%。
「赤の質問を先に拾う」ルナ。
Q:『半拍』って何?
A:心拍の半分。前静0.5→合図→後静0.5で耳を黙らせる。
Q:なぜ二拍止まるの?
A:『時間の穴→静止』。混ざった音を沈めて再開するため。
Q:なんで白点は走者だけ?
A:非走者が見ると視線干渉。退避線=一足幅の中で床白線を見る。
(言葉が短くなると、頷く顔が増える)
◆実演+FAQ(混線・割込み・名目)
1)反射の混線
志水が反射板でピを返す。まとまりは二。最後→二拍で吸収。誤読なし。
FAQ:隣の班の合図が0.8秒差で聞こえたら?
→主体=監督者の視線でこちらを指定、前後半拍で耳を黙らせる。
2)割込み(校内放送テスト)
放送の試験音がポン。俺は二拍静止のあと、三語で返す。
「今、運用中」。楓が続ける。「十分後、休憩」。
**FAQ:**割込みは?→二拍→三語で処理。
3)名目干渉の例
真白が親指サインを上げかける——運用外。口で三語に言い換える。「休憩で話そ」。
FAQ:“手伝い”のつもりでも?→名目が支援でも作用が干渉なら−2。休憩帯でやる。
◆退避線ドリル(全体版)
床に一足幅テープを四本並べて体験レーン。三人ずつ前に出て、足型ゲージ→感覚運用を30秒で回す。
イツキは先頭で**±0を連続。長谷は+0.5→修正**、真白は**−1→修正**。
**EP-1(全体):**俺が合図後に一回、「退避=一足」。
集計
一足幅ズレ:±1目盛り以内=84%(初回)
干渉:白点“見ちゃった”×2→言い換え=床白線で回復
◆小事件:先生の“手で丸”
後列で先生が両手で丸を作って人数を数えようとする(無自覚の視覚合図)。
前列の一年がつい目で追う。
胸の中にポコン……。
A:流す / B:干渉−1で記録→掲示に追記
「B。記録→追記」
ルナが先生に三語で伝える。「指サイン、運用外」
掲示に一行が増える。
『視覚合図=干渉−1(運用外)。休憩帯で口三語』
(先生、すぐ頷いて親指サインを下げる。助かる…!)
◆配布
志水が小カードを配る。片面は三行、もう片面は四問の枠。
『最後で数える/前後半拍/走者のみ白点』
『対象/場所/主体/時間』
「四問で場を固定、三語で動かす」ミレイユがまとめる。
◆仕上げ(朝礼の数字)
色カード、二回目。
緑68%/黄29%/赤3%(赤は割込みの言い換えが中心)
朝礼ログ(共有まとめ)
誤読:0(デモ・体験レーン)
EP-1:A=「退避=一足」、B・Cはデモで回収済
干渉:視覚合図×3→運用外→言い換えで解消
E-12b:放送試験音→二拍(延長不要)
三ノ宮がスタンプを押す。「共有=完了。本許可の線は講堂でも同じ。部屋版退避は掲示を各寮へ」
イツキは会釈だけして席へ戻る。こちらは見ない。けれど、前後半拍の沈黙だけ、きっと同じだった。
◆廊下(二択)
講堂を出ると、掲示のコピーが廊下にも貼られている。三行が短くて、覚えやすい。
胸の中にポコン……。
A:この学園で静かに暮らす / B:全力で勝ちにいく
「保留」——最後で数える/前後半拍/退避=一足。朝の速度は、これでちょうどいい。
—輪っかライトが床に丸を落とす。足音は二人分、少し遅れて一人分。テンポはたん、たん、たん。




