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選律の星環譜  作者: 刹那
28/67

実技申請2

朝。連絡板に新しい紙が一枚。


【審査】

実技申請2:三人交互枠(案) 本日10:00。場所:教務会議室。同行:指導役一名。


(ついに“三人版”。胃評議会がざわつく)


「行く」ルナが腕時計を軽く叩く。

「目的/手順/評価/例外、四つを口で回す」


—会議室。白い壁、長机。端に水差し、中央に例外カードの束。

席は左から三ノ宮、ミレイユ教官、記録役の志水。見学席に楓。

扉の外から一歩遅れて——黒鐘イツキが静かに入って、見学席の端に座る。



◆口頭要約(60秒)



三ノ宮が顎で合図。「短く」


「目的:黒円の利用を三人で交互に回し、切替速度と安定を総時間30分で両立」


「手順:合図=短音のまとまり。1回→A/2回→B/3回→C。

合図後は二拍静止し、白点を見る。各走者10分×3本の交代で一巡」


「評価:逸脱<5%/R-10(三人通算)/EP-1=各自1回(合図付近で短く)」


「例外:E-12b(外部音)を継続。名目干渉−2。支援は休憩帯のみ+1」


ミレイユが補う。

「退避線を黒円外周に一本貼る。交代中の非走者は退避線の内側で白点を見ない(干渉回避)」


三ノ宮がメモを置く。「懸念は合図の重複と視線の干渉」



◆机上テスト(紙→言葉)



志水が紙を配る。『三人版の落とし穴』


・1音+外部音が連鎖した ・2音の途中で装置が止まった ・交代中、非走者が白点を見た


胸の中にポコン……。


A:合図をやり直す / B:まとまりで判断+二拍 / C:例外カード


「B。まとまり+二拍」


「理由」三ノ宮。


「短音のまとまり=1秒以内を合図と見なし、最後の音の終わりから二拍静止。

装置停止も同じ。非走者の白点視線は干渉−1で記録し、退避線で修正」


「通る」ミレイユが白板に書く。


『合図=まとまり/最後→二拍/退避線』



◆実地シミュ(2分×1巡)



黒円。A=カイ、B=イツキ、C=楓。志水が短音器を掲げる。


ピッ(1回)。俺が前へ。反応→当て(軽)。合図。二拍静止。白点。退く。


ピッピ(2回)。イツキが入る。姿勢→反応。終端前に低く一言。「合図→止まる」——EP-1、達成。


ピッピッピ(3回)。楓が小さく頷いて前へ。反応→当て。交代の二拍で短く置く。「交代=白点」


戻りで、俺の肩が浮きかけ——


胸の中にポコン……。


A:速度を落とす / B:呼吸前倒し


「B。呼吸前倒し」

——二吸を差し込み、沈む。退避線の内側で白点を見ないよう、視線を床の白線へ落とす。


ログ(シミュ)


合図:1/2/3回=誤解なし


逸脱:0.8%(カイ)/0%(イツキ)/0.4%(楓)


EP-1:イツキ=合図後/楓=交代時/カイ=未使用(温存)


干渉:非走者の白点視線なし(退避線有効)



◆条件提示(暫定許可)



三ノ宮が三本指を立てる。「ALT-02(暫定)を一週間。条件三つ」


合図=短音のまとまり(1秒以内)。1→A/2→B/3→C。


合図後は二拍静止。走者のみ白点。非走者は退避線内で床白線。


記録は共有カード。**R-10(三人通算)**を追う。**逸脱<5%**維持。


「例外はE-12b。名目干渉−2は継続」


ミレイユが付け足す。「EP-1=各自1回。被りは共有扱い→次ターン個別」


イツキが短く会釈。「干渉はしない。音を聞く。止まる」


楓が小声で息を吐く。「三人、行ける」


(行ける。胃評議会は静かに賛成)



◆午後の初運用(ALT-02:10分×3)

一本目(A→B→C)



ピッ。俺が入る。反応→当て。交代の二拍で、温存していたEP-1を置く。「時間の穴→静止」


ピッピ。イツキ。逸脱0%。


ピッピッピ。楓。滑りかけ→呼吸で修正。


ログ


逸脱:0.5/0/0.6%(A/B/C)


再現性:R-3(ALT-02通算)


EP-1:三者達成(被りなし)


二本目(外部音の試験)


ピッの半拍後、窓際でチン。


胸の中にポコン……。


A:通常継続 / B:E-12b適用


「B。適用」——最後の音から二拍静止。全員、退避線の扱いを維持。テンポは崩れない。


ログ


E-12b:成立×1


干渉:なし(退避線有効)



◆休憩帯(短い笑い)



麦茶と小さいせんべい。真白が顔を出す。「三人、胃は大丈夫?」


「議長・舌先は余裕」楓が笑う。


「会計・小腸も黒字」俺。


イツキは黙って麦茶を一口。会釈だけ。十分だ。



◆仕上げ(R-5へ)



最後の一巡。1→2→3の合図は誤解なし。

俺は退避線内では白点を見ないルールを再確認し、足元の白線で視線を固定。

楓は三語で要点を復唱(休憩帯)。イツキは**0%**を維持。


集計(本日)


R-5(ALT-02通算)


逸脱:A=最大0.8%/B=0%/C=最大0.6%


EP-1:三者各1回(被りなし)


干渉:0(退避線有効)


三ノ宮が短くまとめる。「ALT-02は線の上を歩けている。一週間、この速度で」


ミレイユが白板に三行。


『合図=まとまり』


『走者のみ白点/非走者=退避線』


『最後→二拍→再開』


イツキは会釈だけして去る。楓は白点に視線を落として、二拍だけ数えてから笑った。


胸の中にポコン……。


A:この学園で静かに暮らす / B:全力で勝ちにいく


「保留」——三人でも、二拍は同じ。テンポはたん、たん、たん。名前が増えても、線は一本で足りる。

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