泣
犬太は1週間ほど仕事を休むことにした。
お昼12時
『ねぇ犬太〜!泣き止まないよ…』
『ミルクあげた?』
『うん』
『オムツ替えた?』
『うん』
『ん〜』
犬太と葵は初めての子育てで手付かずだった。
『またお母さんに来てもらおうかな…』
『確かに、この前葵のお母さんに来てもらって美桜もすぐ泣き止んだけどそうすると、美桜は葵のお母さんに懐いちゃうだろ……』
『そうだけどわからないんだもん……』
葵は『よしよ〜し』といいながら泣き続ける美桜をあやした。
犬太の祖母は一ヶ月前に他界してしまっている。
『もう一回寝かせてみたら?』
『寝ないよ?』
葵は赤ちゃん用のベッドに寝かせた。
『…………』
『寝た!!』
葵は嬉しそうに言った。
『ただ眠いだけか……』
葵はそのままソファに向かうと『疲れたぁ』と言いながらソファに横になった。
犬太もソファに座った。
『葵〜……あれ?』
葵はすっかり寝てしまっていた。葵は夜中ずっと泣いている美桜をあやしていたため寝ることができなかったらしい。
『お疲れ様』
犬太はそう呟くと葵の頬にキスをした。
夕方の16時
『ん…葵…?』
気づけば犬太も寝ていた。隣には葵の姿はなかった。けれどキッチンでご飯を作っていた。
『あ…犬太おはよう』
葵はいつものように笑ってくれた。
『おはよう……美桜は?』
『寝てるよ』
葵はくるっと回っておんぶ紐で結ばれて寝ている美桜がいた。
犬太は立ち上がるとキッチンに向かった。
『肩疲れちゃうでしょ?俺が見ておくよ』
犬太は美桜をそっと抱っこするとおんぶ紐も解いてあげた。
『ありがとう』
葵はお礼を言うと調理に戻った。
夜中
『う…ううぅ……』
犬太は泣き声に起きた。
『葵……?』
犬太は起き上がると泣いているのは美桜だけじゃなくて葵も泣いていた。
『どうした…?』
犬太は美桜を抱くと片方の手で葵の肩を持つとグッと自分の寄せた。
『美桜…上手く育ててあげられるかな……?』
葵な泣きながら言った。
『大丈夫だよ。赤ちゃんだから泣くのはよくあることだよ』
『私と犬太みたいに犬になっちゃうのかな…』
『え…?』
犬太は久しぶりに聞いた『犬になる』という言葉で固まってしまった。
『犬になっちゃって私みたいに家出して……車に轢かれちゃったり痛い思いするのかな……』
『俺らはもう犬の血はないはず…。だから犬になったりはしない』
『出産前もたくさん泣いたのにまた泣いて困らせてごめんね……なんか不安になっちゃって怖くて出産しちゃえばもうこんなに泣くことないって思ってたけどやっぱり出産した後の方が辛くてどうすれば美桜が安心できるのかずっと考えてたら自分の子育て本当に合ってるのかわからなくなっちゃって…』
『葵だけで背負い込まなくていいよ。俺も美桜の親だから一緒に考えよう?』
『うん……』
いつの間にか美桜は泣き止んでいた。
『これからも夜泣きすごいと思うけど2人で頑張ろうね』
葵は少しだけ笑って言った。
『うん。』




