守る
そしてずっと2人は歩いていった。
細い道を見つけるとそこで2人は寝泊りをした。
『葵…?』
朝起きると葵の姿は無かった。
『(葵1人で…どこに)』
犬太は起き上がると4足で周りを見渡した。
人間に戻り葵の名前を呼び続けた。
『葵!!あーおーい!!』
葵の返事はなく、犬太の声だけが響き渡った。
犬太はだんだん心配になっていった。
『警察に見つかった…?いや、そんなわけない。見つかったら葵は大きな声で俺を呼ぶはず』
『犬太ー!助けて!』
泣きながら犬太のことを呼び、助けを求める葵の声だった。
それに葵が泣いている声だった。あと声も震えている。
『葵!!』
葵は大型犬に体を噛まれて運ばれているのが見えた。
犬太は犬に戻り、走ってその犬を追った。
『ワンワン!!ヴヴ…!』
犬太は大型犬の尻尾を噛むと『キャン!』と鳴き、葵を乱雑に置いて走っていった。
『葵…どうしたんだよ…』
『犬太のこと…噛み付こうとして…』
『え…?あの犬が…?』
『うん…だから…助けようと思ったらダメだった…』
葵の体は戦った形跡があった。守ったのか歯で腹部を刺したような跡があり、血が出ていた。
『ありがとう…。助けようとしてくれたんだな。』
犬太は人間に戻ると葵を抱っこした。けれど葵の体は弱っていて動かなかった。
『傷薬を塗るけど染みるから我慢してて』
犬太は傷薬をポケットから出すと葵の傷口に塗った。
『本当に弱くてごめんね…いつか犬太のこと守れるくらい強くなるから…』
葵はクゥーンと鳴きながら犬太の頬を舐めた。
『おう。それまで待ってる。歩けるか?』
『うん…!』
『よし、じゃあ栞のボス戦まであと少しだから頑張るぞ!』




