お肉
気づけば夜になっていて葵と犬太は寝ていた。
『ん…あれ…』
最初に起きたのは犬太で、葵は犬太に抱きついたまま寝ていた。
『葵…?』
葵はスヤスヤ寝ていた。
『(雨は止んだか…)』
『うっ…』
急に眩しい光が犬太と葵を照らした。
『おい!君たち何してるんだ!』
声の持ち主は警察官だった。
『ん…眩しい…』
『ん?…そこの君、名前はなんだ』
警察は葵を見た。どんどん警察はこっちに向かってくる。
『葵、逃げるぞ!』
『え…?ってわぁ!』
犬太は葵の手を引っ張って路地裏を抜けた。
『君たち!待ちなさい!』
葵と犬太は行き先も考えずただただ走った。
『わぁ!』
葵は地面のくぼみに足を引っ掛けて転んでしまった。
『葵!大丈夫か?!』
犬太は葵のところに駆けつけて手を差し出した。
『膝…怪我してるな…』
『大丈夫!それより早く行かなきゃ!』
『行方不明になってた柴田葵を見つけたぞ!』
警察官は大声を出した。周りの視線は葵に向けられた。
『くっそ…まずいな…走れるか?』
『うん!』
『よし、行くぞ!』
犬太は葵の手を握って引っ張った。
葵と犬太は走って角を曲がった。
『どこだ…』
警察官たちは辺りを見回すと、犬太と葵をスルーしてどこかに行ってしまった。
『ハァハァ…巻いたな…』
『見つかるとは思ってなかった…ハァハァ』
葵は犬の姿に戻った。
『あ、膝大丈夫か?』
『すり傷だけだから大丈夫だよ。』
そう言うと犬太は葵を抱っこした。
『え?』
『この方が安心する…』
葵は犬太の頬を舐めた。
『くすぐったいw』
『えへへ』
『よし、じゃあ栞のボス戦に行くか』
犬太は葵を降ろして犬太も犬に変身した。
葵がクンクンと匂いを嗅いだ。
『イイ匂いする…』
『また、お腹空いたのか?w』
『またって今日は1日なにも食べてないよ!?お腹空くよ…』
『じゃあ、ここで待ってて』
犬太は走ってお肉屋さんに行った。
『ワンワン!!クゥーン…』
『わんちゃん…お腹空いてるのかしら。お肉あげるからちょっと待っててね』
おばさんは店の中に戻ると焼いたお肉をくれた。
『あら、行っちゃうの?』
犬太はお肉をもらうと走って葵のところに持ってきてくれた。
『お肉だ!』
『へっへー。犬の力があれば金払わなくても貰えるんだぜ!』
犬太はニコニコ笑って葵にお肉をあげた。
『ん〜美味しい〜!』
『かなりこれでも腹いっぱいになるな…。』
『犬太って意外と草食系男子?』
『昔ッからすごい食べるってわけではなかったな…』
『…犬太、お肉食べていいよ!』
『え、葵食べないのか?』
『犬太、いっつも私に譲ってくれるでしょ?だからお返し!』
『いいのか…?』
『うん!』
『ありがとう!』




