武装魔法チート
※注意※ にわか知識です
《オルクスの破槌》
《イフリトの剣》
《嵐精の杖》
武装魔法。
今までに聞いた知識から一つの可能性に気づいた。
うまくいけば一段上の強さが手に入るかもしれない。
そのために集中できる場所が欲しかった。
「オレの家を使え」
グラムに相談したら家を貸してくれた。
オルニアンの外れにある一軒家。
「...広いな」
三人家族だったはず。
今も住んでいるのか。
「そっちの部屋を使え、あとは荒らすな」
そう言ってグラムは外出した。
掃除が行き届いている。
指定された部屋にはベッドがあるだけだった。
生活感がまるでなかった。
クンクン。
グラムの加齢臭だ。
ちらっと他の部屋を覗くと、家具や机があった。
こちらの方が生活感があり、それの意味する所を察した俺は最初の部屋に戻った。
「なにしてんだよ俺。馬鹿だった」
好奇心は萎んだ。
「さっさと始めるか」
今まで得た知識を思い出す。
武装魔法は魔法空間から武器を召還する魔法。
武器は術者の素質やLvが重要。
おそらく魔法空間とは前世のアカシックレコードの武器、防具限定版だ。
《オルクスの破槌》はかつての伝説の魔龍から出来た武器。
「かつて」の武器を「現代」のグラムが使っている。
かつて作られたのがオリジナルで、グラムが使っているのは魔法空間から用意されたレプリカ。
俺には『ブラックショートソード』に進化させることが出来なかった。
《ショートソード》は使えるから魔法空間には繋がっている。
原理的には進化するはずだが、現実は出来なかった。
その疑問への回答。
俺は異世界人であるために『魔法空間』に貯蔵されている武器を知らない、もしくは不十分だったから。
この世界に来てまだ一週間程だ。
人々の深層意識が連結して魔法空間は成り立っている可能性。
冒険者ギルドの講習を思い出す。
「魔気とは何か。それは魔力が空気中に溶けているものです」
魔法を使えば魔力(MP)を消費し、魔気で回復している。
人体を通り、外へ排出される。
この魔気が深層意識と魔法空間を繋げているに違いない。
この世界で生まれ、育った人々の深層意識は魔気を間に挟み魔法空間と繋がっている。
俺もじきに『ブラックショートソード』に進化出来る様になるのだろう。
なにせ魔法を使い、体を魔気が巡っているのだから。
この世界の人々は登録をすると魔法空間に刻まれると勘違いしている。
本当は鍛冶師が作った段階で、その鍛冶師の体を魔気が通り魔法空間に武器が収録されている。
あとは武器を手に取った人がステータスに登録する。
これらは仮説だ。しかし事実だとしたら。
「俺の知識の中には前世の武器知識がある。うまくいけば―――銃を召還できる」
必要なのは強いイメージ。
深層意識に届くほどの思考。
それを魔気が介して魔法空間へと貯蔵させる。
貯蔵さえすればレプリカを召還できる。
前世の知識を持つ俺ほど素質に適した人間はいない。
弓は矢とワンセットの扱いだった。
なら銃は弾丸とワンセットも可能のはずだ。
現物があればイメージする必要はないのだろう。
先の鍛冶師の例えがそれだ。
しかしこれから俺がするのは別世界の武器。
強く、強い刷り込みが必要だ。
「よし、まずは下準備だ」
まずは超大きく射撃武器という同じ分類の弓を登録する。
これを銃に進化させる。
とりあえず弓の習熟度をあげておく。
習熟度は『升』チートで100倍になる。
適当に撃てば満たせる。
これで進化の下準備は終了だ。
「あとはただ、俺が欲する銃のイメージを固めるだけだ」
頭に描くは遠距離狙撃銃。
銃身は長く、ミリ単位で精密なライフリングが刻まれている。
それらによって真っ直ぐな弾道軌跡を残す。
口径は7.62mm。
全長は1125mm。
はじめに知ったのはFPSゲームだった。
ワンショットワンキルの快感を教えてくれた。
多くのゲームに登場し、よく使った。
弾倉は十発。
ライフリングは四条右回り。
俺がSRと聞いて真っ先に思い浮かべる銃。
スラッと伸びたバレル。全体は四角い。
第一印象は砲身に本のハードカバーが付いている、なんて意味不明なモノだった。
スコープは6*42。
バレルはステンレス鋼。
トイガンも買った。
抱いて寝たこともある。
感触は覚えてる。
世界が変わろうと忘れない。
発射熱で意識に焼きついている。
武器は相棒だ。
俺はあいつを使いたい。
だから。
来てくれ。
―――。
―――。
―――。
「...だめか」
弓に変化はない。
ステータスを確認しても進化は《なし》。
「くそー。いけたと思ったのにな」
最後の瞬間。
確かに愛銃を感じた。
あれは幻だったのか。
「いや違う。間違っていない。弱気になるな。一度の失敗がなんだ。俺のイメージはそんなことで止まるほど柔じゃない」
このまま繰り返してもダメだ。
なにかが足りないんだ。
考えろ。
もっと確固としたイメージ。
「材料か」
リセルは進化で素材が要求されると言っていた。
「もしくは条件か」
《イフリトの剣》は【炎の魔法】がLv30を超えないといけない。
「前者は合金じゃダメなのか」
武装屋で買った鎧プレート。
この異世界で作られた合金では銃の発射に耐えられない。
俺がそう思い込んでいるのかもしれない。
「後者は銃だとすると火系か? あとは【金の魔法】か」
弾丸の火薬と金属加工の【金の魔法】。
火薬、爆発は火系でいけるか?
だとしたら【紅】まで習得しているから大丈夫のはずだ。
そうするとやはり金属を扱う【金】が必要か。
.........。
......。
...。
「すみません!」
「ぁあ? お前は昨日の別嬪さんと一緒にいたガキか」
武装屋はリセルの事をよく覚えていた。
「鉱石を売ってください!」
「いきなりな話だな。確かに鉱石はあるが...」
「通常の三割増しで払う」
「売った!」
金で解決。
.........。
......。
...。
熊の住処があった崖。
「よし。掘るか」
カーン。カーン。
「さすが『升』様! 【採掘】【採掘】【採掘】」
【紅の魔法】。
鉱石をなんちゃって精錬。
本気でやる必要はない。
なぜなら。
「さすが『升』様! 【精錬】【精錬】【精錬】」
ついでに【抽出】も覚えた。
.........。
......。
...。
夕方。
「準備は万端だなっ!」
目の前には魔物の死骸や鉱石、木材が散乱している。
このぐらいあれば大丈夫のはずだ。
「さくっとやりますか」
午前中にやったイメージを繰り返す。
ただ今回は材質方面を強く考える。
銃身と閉鎖部はステンレス鋼。
クロムが18%、ニッケルが8%の18-8ステンレス鋼。
これだけだと硬すぎる。
異常高圧が発生した場合に破断や断裂の危険がある。
そのために燐や硫黄を加えて粘りを与える。
磁石が着くイメージだ。
ストックは銃身や閉鎖部ほど負荷がかからない。
強度を必要としない。
だから俺の印象に適したものになればいい。
本来のアルミ合金フレームとか強化プラスティックとかは不要だ。
ここでは色と形、そして重量の項目を満たせればいい。
色は深緑、形は手から肩まで、重量は銃身も合わせて五分持つと腕がしびれる程度。
「これで―――どうだ!」
散らばった素材が光だし、弓に吸い込まれていく。
発光した弓は次第にその形を変えていく。
木をしならせて糸を張っただけの弓が太く、厚く伸びていく。
子供でも持てるほどだった重さは、大人に成長するように増していく。
「出て来い! 俺の愛銃―――L96 AW」
光が収束し、無骨な姿を見せる。
L96AWA。
この世界に召還するならその名をつけないとだめだと思った。
細く伸びた鈍い黒色のバレル。
砂時計を横倒したようなスコープ。
第一印象に引っ張られて本来よりも長い銃床。
十発の7.62mm*51弾が入った弾倉。
標準を安定させる深緑色のストック。
衝撃を肩に流す尻は木製パーツをつけた。
「....ふふ、ふふ! できっ―――たぁぁああ!!」
ひゃっほーい!!
予想通りだ。
魔法空間は人々の記憶情報の集積場だった。
俺が転生したことで前世の武器が蓄積された。
あくまで今回したように強くイメージした武器だけだが。
それが出来ればあとは材料を揃えれば進化、そして召還できる!
はっはっはー!! よーし! あと二つ行くぞ!!
俺は暴走し始めた。
有頂天を天元突破してしまった。
その結果―――。
.........。
......。
...。
スコープの中央に五百メートル先の木の実が映る。
ドンっ!
発射の衝撃を腕と肩で受け流す。
薬きょうが排出される。
カコッと、コッキングして次弾を装填する。
今度は木の枝をターゲットに設定する。
都合十発。
弾倉を空にする頃には一本の木が枝を全て失っていた。
「《L96AWA》」
召還。
弾薬は補充され、熱した銃口は冷めている。
「《レミントンM870》」
呼び出されるのは散弾銃。
フラミンゴの脚のようにスラッとした銃だ。
無駄な装飾はなく、シンプルこそベストだと主張している。
ドンッ!
すでにチューブマガジンで六発装填済み。
銃口から飛び出した散弾は近くの木に無数の穴ぼこを作る。
ドンッドンッドンッドンッ。
みしみしと軋み、木が倒れる。
イメージする際にどうせだからと威力を高めにしてみた。
「《M60》」
ひゃっはーーーー!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド。
ベルト式で給弾された百発を一斉掃射。
7.62mm弾が秒間五発という特殊仕様になり、ありえない勢いで弾を発射する。
わずか二十秒で見渡す限りの木々に致命傷を与えた。
機関銃をぶっ放したのでお約束をしておく。
「かい...かん」
至近距離武装魔法《レミントンM870》
中距離武装魔法《M60》
遠距離武装魔法《L96AWA》
「満足な仕上がりだ。ふふ...」
回復と再生の魔法を使って試射の被害を直しておく。
【再生】のMP消費は大きい。
ここで少し【再生】の検証結果を説明しておく。
木ぐらいなら100程度で済むのだが、人体になると飛躍的に増える。
腕一本でMP1000だ。
足も同じ。ただし胴体は倍の2000。
頭部は火傷や目玉の【再生】で1000強だった。
ちなみに死者を【再生】することは出来ない。
これは俺のイメージの問題だと考えている。
母さんを冒涜している気がするんだよな。
俺の深層意識に刻まれている。
だから不可能だ。
しかし、生きてさえいれば【再生】は可能だ。
基準は意識があるかどうか。
動植物で実験した結果だ。
木の再生がすべて完了する。
「つい夢中になってしまったな...でも良いのが出来た。ふふ」
頬で銃身を触る。
あー幸せ。
アスト・ヴェルホロウ
称号『升』 役割:銃使い
職業:冒険者 階級:五級
Lv51
HP 2016/2016 MP 2111/2111
物攻 1899 物防 1920
魔攻 2027 魔防 1754
俊敏 2068 耐久 1977
武装魔法
壱 《レミントンM870》 弐 《M60》 参 《L96AWA》
支援魔法
○【物理上昇Lv50】【魔法上昇Lv50】【俊敏上昇Lv50】【耐久上昇Lv50】
→【身体強化Lv99】
→【物理攻撃上昇(大)Lv3】【物理防御上昇(大)Lv1】【魔法攻撃上昇(大)Lv3】【魔法防御上昇(大)Lv1】【俊敏上昇(大)Lv1】【耐久上昇(大)Lv2】
○【HP回復Lv50】【MP自動回復頻度Lv50】【異常回復Lv50】
→【HP自動回復上昇Lv99】【MP自動回復上昇Lv91】【異常自動回復Lv56】
→【再生Lv34】
○【火の魔法Lv50】【水の魔法Lv26】【土の魔法Lv1】【金の魔法Lv42】
→【炎の魔法Lv99】
→【紅の魔法Lv15】
○【毒の魔法Lv1】【乱の魔法Lv1】
○【火の耐性上昇Lv50】【水の耐性上昇Lv50】【木の耐性上昇Lv10】【土の耐性上昇Lv23】【金の耐性上昇Lv10】
→【全耐性Lv17】
○【察知Lv50】【探査Lv50】【把握Lv50】【精査Lv50】【隠匿Lv50】【霧消Lv50】【剥取Lv47】【伝達Lv38】【指示Lv12】【採掘Lv38】【精錬Lv34】【裁縫Lv24】
→【探知Lv99】【地図Lv47】【隠蔽Lv46】【鑑定Lv58】【解体Lv43】【抽出Lv28】
○【移動Lv1】【停止Lv1】
○【切の技術支援Lv50】【打の技術支援Lv2】【刺の技術支援Lv50】
→【斬の技術支援Lv99】【穿の技術支援Lv62】
→【線の技術支援Lv26】
○【範囲拡大Lv38】【対象拡大Lv12】【規模拡大Lv50】
→【指定魔法Lv39】
生産魔法
〔なし〕




