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第17話 飛び込め!


霧島永は考える。


わかってる。事情があったんだって。


わかってる。十馬くんは言い訳しないって。


それを、私は、わかってて、あんな事言っちゃった。


自分は嫌な人間だ。と思った。


まだ、一十の部屋の、ドアの前で、動けないでいる。


言えば良い。ドアを開けて、本当は、今でも好きだって。


それが出来ない。人を殺した。友達を、紫蘭を殺した。


それを、受け入れられない。好きでも、受け止められない。


でも、うう・・・頭の中がグルグル回ってる。


答えを出しても、それを、理性が、認識の奥深くの常識が、それを否定する。


苦しい。どうすればいいの?


思わず座り込む。


ミョワン、ビャスッ


変な音がした。部屋の中から。全く聞いたことのない音。


明らかに変な音。


・・・それから、音がしない。


気になる。・・・私は、静かに、ドアノブを回す。


ゆっくりドアを開け中を覗く。


「一十・・・?なんか変な音したけど・・・大丈夫・・・?」


返事はない。


その代わり、穴があった。穴だ。台所の床に、大きな穴があった。


その穴は、真っ黒で、大きさはたぶん一メートルほど。


中を覗いても真っ黒。


挿絵(By みてみん)


そして、一十は居なくなっていた。


状況を判断すると、


あいつは、この穴の中に消えた。


私は、台所にあった、缶詰を手に取り、穴に投げ入れてみる。


1階に通じてるわけでもない。音がしない。


私は、その穴に、飛び込んだ。


理由は、考えなかった。


どこに繋がってるのだろう、とか、死ぬんじゃないかとか、


そんな事は考えず、一十を追いかけたい。そう思い、何も考えずに、飛び込んだ。


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