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第55話 これでお相子。


 リベッラの体から紅い光が溢れ出す。それと同時にアルテナの胸が碧く光り始める。


 やがて二つの光は共鳴し合い、白紫色の細い糸がそこにいた全員の間を繋ぎ、一瞬だけ強い光に照らされた。


  ---〈〈〈共鳴認証〉〉〉完了。---

  ---接続可能記憶:共鳴認証済

  --識別名①:旧姓

   リベッラ・ヴィヴァーチェ・ビアンテ

   (新姓:フォッティーゾ……)


 「……おい。」


 --識別名②:ジャーベス・アルギロホース

 --識別名③:シルヴァリオン

 --識別名④:アイウォールズ

 -波形:全て正常基準値

 -状態:安定


 「え?どーいう意味?」 「?」


 リベッラとジャーベスが、その機械的な声に疑問を浮かべるなか、アルテナはすかさずーー


 「おーーーい!!ツッコミたいことしかないけどなあ!まず!!そう、まずは……」


 「リベッラがその……俺と、けっ……

『 結婚しているてい 』なのは絶対に間違っている!!」


 「なあっ?!」


 リベッラは顔をカアと炎のように染め上げ


 バゴンッッ!!!


 全体重を乗せた鉄拳でアルテナの顔面を正面からブチ抜いた。


 ひゅんーーっ!ばきっ!!


 どさ。


 「………」


 「いって〜……てめえ!いきなりなにしやがんだ!!リベッラ……(王女様)」


 だんだん声のボリュームが下がっていくアルテナ。そして目の前には仁王立ちするリベッラ。


 「そのへんにしろ〜二人ともっ!」


 二人の首根っこを掴み軽く持ち上げるジャーベス。まるで子ども扱いである。


 「ジャーベス!離してえ!も〜邪魔

 しないでっ!!」


 「もう喧嘩はしません!

 自分、反省してます!!」


 どさ!どさ。


 「っ……たあ〜い……!」


 「痛つつつ……」


 ジャーベスは一度だけ深い息を吐いた後、

 言った。



 「アルテナ、まずはなにより」


 「お前が生きていてくれて良かった!」


 「お……おお?」


 そう言って笑うジャーベスの頬にはひとすじの光が見えたような気がした。


 そしてジャーベスはしゃがみ込んで、アルテナの額に自分の額を当てこう言った。


 ごつんっ


 「これで、貸し借りはなし。

 おあいこだな。アルテナ!」


 ニッと微笑んだ彼はまた立ち上がると、


 「ようし!……これからは三人の生活が始まるんだ。色々不便もあるだろうが……」


 「リベッラ!そうだ。お前も一応、焔翼(ほむらよく)ギルドに顔出しとけ。スヴェツィアーノさんならきっと、歓迎してくれるハズだ。」


 「ええ〜??!あの超怖い人??

 絶対いやあああ!!!」


 「あっはっは!決してわるい人じゃないんだがなあ。まあ、しゃあない。そうと決まれば……ほれ、行くぞお前ら!」


 「はい!!俺は今後、真面目に生きます!」


 「……帰りにあの可愛いアクセの

 店寄るなら行く。」


 「ったくお前らは……ぷははは!!

 じゃあ早いとこ用意すっか!」


 ジャーベスは呆れた様子で二人を見て、堪らず吹き出した。そして三人は愛馬に乗り、州都レーゼにある焔翼ギルドへと向かった。


..... ..... .....


 焔翼ギルド内。ギルドマスターの私室の前。

黒い木の扉の取手にアルテナが手を伸ばした時ーー


 「あらあ?みんな揃って私に用かしら?」


 ドキィッッ!!!!!!


 背後から気配もなく急に現れたギルドマスター=ドン・ドナテッラを見ても、一人だけ落ち着いた様子だったジャーベスが言う。


 「おはようございます。スヴェツィアーノさん。こちらのリベッラ王女ですがーー


 「ふん。まあ、ここで話すのもあれだから。ジャーベス、それにみんなも部屋に入りなさい。」



 きいい……


 と三人の間を通り抜けるドン・ドナテッラ。彼女の髪からふわあと、甘くて良い香りがするのを全員が感じていた。


 ギルドマスターの席に腰を据えて彼女が言う。


 「そう。まずは、あなたね?」


 「こないだも会ったばかりだけど、自己紹介がたしかまだだったわね。私はここのギルドマスターをやっている『 ドナテッラ・スヴェツィアーノ 』よ。」


 「あなたのことは知っているつもりよ。()のビアンテ国王の一人娘、リベッラ王女様よね?」


 「はい……そうです。」


 でん!


 とジャーベスに背中を優しく叩かれて。


 「覚えていてくださり光栄ですわ。ドン・ドナテッラ。改めまして、わたしの名は」


 「ビアンテ王国の王女=『 リベッラ・ヴィヴァーチェ・フォッティーゾ 』と申します。どうぞお見知り置きを。」


 と可憐な姿で恭しく腰を折り、ギルドマスターに一礼して見せるリベッラ。


 リベッラの自己紹介に、悔しいが何も言えず歯噛みするアルテナ。


 「リベッラ王女ね。よろしく。早速で申し訳ないんだけど、ジャーベス。」


 「はい!」


 「私もちょうどあなたたちに伝えたいことがあったのよ。」


 「『 不死鳥の片翼 』としての任務を、あなたたちに与えるわ。」


 ギルドマスター=ドン・ドナテッラは続けた。



 「ここフェニーチェ島から北西の国。」


 「芸術と革命の都=

 『 ヴェルロゼリア連邦王国 』」


 「そこで『 待つ人 』と合流し、

 詳しい内容は直接、彼から聞いてちょうだい。」



 「あの、スヴェツィアーノさん。その

『 待つ人 』とはいったい……」


 「そうねぇ……私が昔、あなたたちぐらい若かった頃に組んでた『 パーティーのメンバー 』とだけ伝えておくわ。」


 「パーティー……ですか。」


 「それと今日は出発前に、下でパーッとやるわよ。いいわね?みんな。」


 「「「はい!!!ドン・ドナテッラ!!」」」



 三人が部屋を後にした後。


 ドン・ドナテッラは意味有り気に笑った

 のであった……


 「うふふ。」


..... ..... .....

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