第47話 思惑
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『 第三の試験 』としてビアンテ国王がアルテナとジャーベスに示した内容はこうだった。
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1.『 第三の試験 』は、『 執事エスカルドの
絶対的な監視 』の元で行われること。あと、ヒントを聞くのはぜんぜんOKだよん
2.『 強制的にリベッラ王女を試験に同行 』
させること。くれぐれも『 仲良く 』してね。
3.最後に!この国の人々はなぜ『 不死鳥 』を讃えるのか?そして、『 何度でもよみがえる街 』と呼ばれているその理由。
それらの答えが分かったら、『 執事エスカルドに直接伝える 』こと。ここが一番重要だよね。
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とのことだったのだが--
ビアンテ城から外門をくぐって一路、街道を歩き出して早くも数時間経った時だった。
リベッラ王女がふいにアルテナの手をぎゅっと握った。
「なっ!!?……いきなりなにすんだよ!?」
アルテナは顔を真っ赤にして、あわてて手を振りほどいた。
リベッラ王女は、ふんっ!とそっぽを向きつつ
『 べ、別にわたしはそんなに、いっいやじゃなかったんだけど。』
と、内心ではちょっとだけ複雑だった。
が、次の瞬間--
バキッ!!
「へぶしっ!!!」
と、いきなりアルテナをぶん殴った王女様。
「ええ〜〜?!めっちゃ怖いんですけど……
この王女様……」
涙目で、ふいに殴られた自分の頬に手を当てる
アルテナ。
「な〜に照れちゃってんのよチビのクセに!
バッカみたい!」
「はあ……まったく……これじゃあ先が思いやられるぜ。」
やれやれと、苦笑して二人の間に入る
ジャーベス。
黒馬シルヴァリオンと気品ある白馬アイウォールズが並んで三人の後ろを歩き、
一行は街道をフェニーチェ島に向かってひたすら歩き続ける。
こうして『 何度でもよみがえる街 』=『 フェニーチェ島 』と『 不死鳥 』に隠された謎解きが始まったのであった。
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「つーか王女様よお。なんでお前まで俺たちに付いて来なきゃなんねえんだよ」
「そもそも王様に『 婚約者 』なんていわれても、俺はぜんぜんそんな気はねえかんな。」
「なっ……」
リベッラ王女はアルテナの言葉に少し傷ついた。なぜなら、彼女には無自覚ではあるがアルテナに対して多少の関心があったからだった。
「フンッ!知らないわよそんなこと。お父様にはあとで適当にごまかしていえば、ぜったいにそんなことにはならないわ!」
『なによこいつ!!……まじで女の子の気持ちを微塵も分かってない。まあ、いいわ。丁度良い退屈しのぎにはなるでしょ……』
と、リベッラ王女は心でそう自分に言い聞かせて無理矢理納得させた。
そんな二人をよそに、ジャーベスが口を開いた。
「よし!ゆっくり歩いててもなんだ、シルヴァリオン!一気に島まで戻ろうぜ。」
「ヒヒーーン!ブルルル。」
と、ジャーベスはシルヴァリオンに乗って我先に駆け出す。
「お……おい、待てよジャーベス!!……はあ〜……俺たち、チーム感0だよな。」
「……っておい!!王女様!」
アルテナの愛馬であるアイウォールズに、ひょいっと軽く跨ったリベッラ王女は、手綱をひっぱり今すぐに走り出そうとしていた。
「……ん!」
「ああ?!」
「んん!……って!!早く乗らないとまじでここに置いてくわよ?」
「……ちっ。」
「ヒヒーーン!」
「わっ!待てって!ごめんなさいごめんなさい!!」
と、アルテナはあわてて王女様の手を握って彼女の後ろに乗った。
「わたしたちも行くわよ!」
「ブルルル……!」
ぱからっぱからっ
耳の先まで真っ赤に染めて。黙り込んでいたアルテナの顔など知らぬ王女様は、先に出たジャーベスとシルヴァリオンを追いかけて行った。
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「おっせえな!待ちくたびれたぞ。」
フェニーチェ島へと渡る船が着く港町に、先に到着していたジャーベスが言う。
「だってよ!……思いついたら即行動しちゃうお前がどうかと思うよ。俺は。」
「ははっ、それもそうだな!すまんすまん!」
と、いつもの調子で軽口をたたきあう二人を、
じと目でにらむリベッラ王女。
「さあて。まずは情報収集といくか!……ん?
リベッラ王女どうかしたか?」
「ううう……魚くさ〜〜〜い!!髪ににおいがついちゃうう!!」
「……わたし無理!帰る!!」
「はっはっは!じゃあ、早いとこ焔翼ギルドに行くとするか!」
「もお〜〜いやああ………!!」
『……俺、今までそんなこと気にしたこともなかったけど……やっぱこいつ、一応はお姫様なんだな……』
アルテナは心のなかでそう独り言を言ったの
であった。
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「ん〜〜……そうねえ?私が一つだけ答えられるとすれば、それは『 王様のちょっとした遊び心 』ってことだけね。」
と、『 焔翼ギルドのギルドマスター 』=
ドン・ドナテッラ・スヴェツィアーノは深く椅子にもたれかかって、三人に言った。
「ドン・ドナテッラ!」
「ん?なあに?ジャーベス」
「何かもっと、手がかりはないんでしょうか?」
「そうねえ……ビアンテの国王様は最初にあなた達にこう言った筈よね?第三の試験は『 執事であるエスカルドの絶対的な監視 』の元で行われること。ってね?」
「ジャーベス、それなのにどうしてあなたたちはまず『 その執事 』にヒントを聞かずに、
ここへ来たのかしら。私なら初めにその『 小執事ちゃん 』を見つけだして、彼が泣いちゃうまで質問責めにするわね。」
「スヴェツィアーノさん……ありがとうございます!!それでは!」
「いくぞ!お前ら。」
「ふふふ。ほんと、可愛いわね〜あなた達。
うらやましいわ。」
と、ギルドマスターの圧倒的なオーラに、がくがくと両膝を震わせていたアルテナとリベッラ王女にジャーベスはそう言って、三人は部屋を後にした。
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「あのクソ真面目執事にヒントを聞くっつってもよー。全然どこにもいねえんだけど。」
「いじわる問題すぎるぜ。あの王様。」
「お父様を悪くいうなんて、あんたまじでクソね。チビで役立たずだし。」
「王様はくれぐれも『 仲良く 』って言ったんだぞ?お前らもすこしは真面目に考えろ。」
「つってもなあ……」
「おお!ジャーベス!アルテナも一緒かあ〜!」
「フィエーロさん?よお。今日は仕事はどうしたんだ?」
「おう、それがな。たまたまそこで会った『 紺色の背広を来た若いあんちゃん 』に、急に大金とこれを渡されてよ。お前らに渡すようにって。」
と、懐からゴソゴソと厳めしい封筒を取り出す漁師フィエーロさん。
「ちょ、ちょっと見せてくれ!」
「「「なになに……」」」
『 ヒント***山に登れ 』
「山!?って、まさかあれ……じゃねえよな?」
「わたし、ぜったいイヤよ?!山登りなんか!」
「ったく。ヒントにそう書いてあるんだ。それじゃあ……」
「今から登山開始だ!」
「いやあああ〜〜〜!!!」
リベッラ王女の声が街じゅうに響き渡った。
「ところでフィエーロさんさ。」
アルテナが聞く。
「ん?どうしたアルテナ?」
「今まで聞いたこともなかったけどさ。この街ってなんで『 何度でもよみがえる街 』って呼ばれてんの?」
「ああ。それはな、大昔にあの火山が噴火した時、街は溶岩や火山灰なんかで全部駄目んなったんだが……」
「その時、途方に暮れてた人々の前に現れたってのが『 不死鳥 』なんだってよ。昔っからそう伝えられてんだ。それを見たご先祖様たちが、それから不死鳥を讃えて、この島をそう呼ぶようになったらしい。」
「そっか……良くある昔話だな……」
『でもなんか引っかかんだよな……
話がありきたりすぎるし……』
「だっはっは!そりゃそうだ。俺がガキん時に、ジイさんからそのまたジイさんに聞いたって昔話だからな!
この国に住んでるやつあ、全員知ってる迷信みたいなもんだわな!」
気付けばそこから少し離れた家屋。赤褐色のレンガ屋根の上に、いつの間にか執事エスカルドが立って三人の様子を見おろしていた。
スチャッ
「今のところ、減点はしていませんよ。」
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