第45話 白馬に乗った王女様?!
..... ..... .....
ばからっばからっ
ばからっ
アルテナ
『クッソ……』
『あの『 執事 』のやつ……王女様なんて、
いったいどっから探せばいいのか分かんねえよ!』
アルテナは白馬・アイウォールズに跨り、
森の中を駆けていた。
するとーー
ぱからっぱからっ
ぱからっ
アルテナの視界に、見覚えのある漆黒の馬に乗った青年の姿が一瞬だけ映った。
アルテナ
「げ!?……シルヴァリオン?!それに……」
「よっ!」
二つの指をくっつけて
ピースして見せたのはーー
アルテナ
「ジャーベス!?……なんで………」
ジャーベス
「あ?よく聞こえんが、
『 なんでここが分かった? 』って
話ならな--
ザンッ!!!
ひょいっ
ジャーベス
「おっと!」
何かの攻撃を避けるジャーベス。
シルヴァリオン
「ブルヒヒーン……!!」
漆黒の愛馬シルヴァリオンから、急に飛び降りたジャーベスは、すでに腰の剣を抜き、技をくり出す体勢に入っていた。
そして
彼と真っ向から対峙していたのは--
「ウガアアアア!!!!!グルルルルル・・・」
だっだっだっ!!
迫り来る超巨大で獰猛な野獣。
10mぐらいはありそうな巨体を揺らしながら、するどい爪を振り下ろそうとして--
ダッ!!
と、その野獣の頭を飛び越える高さまで軽く跳躍したジャーベスは、落下の勢いに乗せて巨大な野獣を頭から真っ二つにぶった斬った。
ダアアァン!!!
バタンッッ!!!
・・・
ジャーベス
「うおっとと」
「……ふうー……あっぶねー」
たったった!
アルテナ
「ジャーベス!!大丈夫かよ……」
白馬アイウォールズから降り、
ジャーベスに駆け寄るアルテナ。
ジャーベス
「アルテナ」
「まずはさっきの話の続きだが--
「この」
「ばっきゃろおお〜〜〜ッッ!!!」
ビリビリ!と、鼓膜が震えるほどの声圧で、
ジャーベスはアルテナに説教した。
森に正座するアルテナ。
ジャーベス
「はあ……」
「あのなあ……この森はまじでヤベーからあんま近づくなって、前からお前に言ってただろう?」
「それに……なんか朝から嫌な予感がすっから、ギルドに行ってみたら誰もいなくてよ。」
「あせってスヴェツィアーノさんに話聞きに言ったら、お前がギルドを飛び出して森の方に行ったって聞いたもんだから、すぐにシルヴァリオンとここまで飛んで来たってワケよ。」
「アルテナお前、まさか……こいつに追われてんのに気付かなかったとかじゃないよな?」
アルテナ
「あージャーベス」
「まずは本当にごめんなさい。反省してます。」
「で!……はは。わりい『 王女探し 』に集中し
ててまじで全然気付かなかったわ!」
「いや〜王女って聞いたからさ。どんな感じの顔
なんだろうなあって……」
ジャーベス
「だあ〜〜〜!!」
「ブルルッ」
ズッコケるジャーベス。
鼻を鳴らすシルヴァリオン。
ジャーベス
「お前!!そんなんじゃ、いつかまじでしぬから
な!少しはこっちの身にもなれっての」
びしっ
アルテナ
「あで!」
デコピンを喰らわす
ジャーベスの後ろに--
ダッ
シルヴァリオン
「ヒヒーーーンッ!!!」
……バッガアアアアン!!!!!
急に大きく抉られる地面
間一髪で殺気を読み取り
ジャーベスとアルテナをつき飛ばした
シルヴァリオン
ダンッ!!!!!
ジャーベス
「っはああ………!!!」
近くの大木に体を打ちつけ
苦鳴をもらすジャーベス。
シルヴァリオン
「……ヒヒン……ブルルル」
地面に強く叩き付けられた
シルヴァリオン。
アルテナ
「おいおいおい……ちょっと待てって」
「焦んな俺あせんな俺あせんな俺あせんな俺。
考えろー」
アルテナは、シルヴァリオンのとっさの判断もあり運良く襲撃からは逃れ、その場に腰を落として剣を抜き、戦う体勢を作った。
そしていきなり目の前に現れたその巨大なバケモノと対峙していた。
その時だった--
巨大なバケモノの太い首を『 紅く輝く閃光 』が貫き、次の瞬間にはバケモノはその場にぶっ倒れた。
バッターーーン!!!!!!
………
アルテナ
「へ?」
剣を握ったまま立ちすくむアルテナの前には、
見覚えのある白馬が現れた。
顔を上げると、アルテナの相棒である白馬
アイウォールズに勝手に乗った
女の子と目が合った。
???
「なによあんた!腰ひけちゃってるし、まじで格好も田舎くさくてだっさいわねー!」
「こんな『 異星生物 』も余裕で倒せないなんて、腰抜けも良いところだわ」
アルテナ
「だっ?!誰だお前!?いきなり!」
???
「お前……ですってえ!!?あんた、わたしを誰
だと思ってるわけ?!わたしは」
『 リベッラ・ヴィヴァーチェ・ビアンテ王女 』
ビアンテ王国のプリンセスなのよ?」
「ふふん♪」
『 自称王女 』のリベッラは、天使の輪のように艶めくピンクブラウンのロングヘアーをワイルドにかきあげ、一瞬だけ上機嫌になる。
アルテナ
「はああ〜〜〜!!?」
リベッラ
「はああ〜〜〜?!!」
「超むかつくんですけど〜!!なにその態度。
お父様にいったら斬首ね。斬首。あんたみたい
な無礼なガキは即、極刑よ。」
アルテナ
「うっせーな!!
そんなの急に信じられっかよ!!」
「ばーかばーか!」
リベッラ
「あー」
「もう分かったわ」
「えいっ♡」
リベッラが微笑みながら指でハートの形を作る。
すると急にその場の空気が妙にピリピリと張りつめ、風は止んで誰も声を発さなかった。
そして
空で爆音が鳴り響き、狙いを定めたかのように
『 紅い落雷 』がアルテナの脳天に突き抜けた。
ごろごろごろ
ぴしゃああああああ!!!!!
アルテナ
「ぎいやああああ〜〜〜!!!」
ばたん
………
リベッラ
「あら、ごめんなさ〜い!」
「わたしってばうっかり♡
ちょっと強すぎたかしら……」
そのようにして
他人の『 白馬に乗った王女様 』は
男たちと二頭の馬を、図らずも
大ピンチから救ったのであった。
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ずるずるずる……
べしゃっ
………
げしっ!
アルテナ
「痛い!!」
「……あれ!?え?ここどこ??」
「はっ!」
「てめえ〜〜!!」
にっこり微笑むリベッラの顔を見て怯えるアルテナ。すぐとなりにはジャーベスがいた。
ジャーベス
「先ほどは危ないところを助けていただき、
本当にありがとうございます。王女様」
ジャーベスは片膝を地面に付けて
恭しい態度で言う。
リベッラ
「あなたは立場がちゃんと分かっているようね。でも!!」
「このチビはぜんっぜん分かってない!!」
リベッラがアルテナをビシッと指で示す。
アルテナ
「ああん?お前が王女様だなんて
俺はぜってぇに認めねーかんな」
それでも胡座をかいて
腕を組むアルテナ。
リベッラ
「ふんっ!今にお父様が来るわ。
そしたらあんたなんて……」
老兵
「国王陛下がお見えになります……」
城内の老兵が、その場にいたアルテナ一行に静かにそう告げ、急に場に緊張感がただよう。
「レ・ブルーノ・ビコ・ビアンテ国王陛下に
敬礼!!!」
「「「ガシャン!!」」」
城内のすべての衛兵達が集い、
ビアンテ国王に忠誠を尽くす。
そして、玉座に姿を現したのは
白髪パーマともふもふしたヒゲをたくわえた、
ふくよかな王様だった。
国王ブルーノ
「リベッラ!?……ああ!君はどこにいってたん
だい?!お父さん本当に心配して……」
リベッラ
「お父様!!このチビ……いえ、この不敬な者を
今すぐになんとかしてもらえませんか?」
リベッラが父であるビアンテ国王に言う。
国王ブルーノ
「えっ?まだ小さい子どもじゃあないか……
その子が君に何かしたのかい?」
リベッラ
「ええ。お父様……」
「わたし……ここまで侮辱されたのは、本当に
初めてだったわ!!」
国王ブルーノ
「まっ、まあまあ……リベッラ、少し落ち着いて。あとは私が彼らと直接話すから。みんなもそれで、良いね?」
兵士たち
「「「は!陛下の望むままに!」」」
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