番外編 ♢聖夜の反則技♡
クリスマス 番外編
第0話 聖夜の反則技♡
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「わああ……!すっごくきれい……」
「ふっふーん。でしょう?」
何故かぜんぶ自分がやってやりましたみたいな感じで、誇らしげな顔をするミノリ。それをノエマはまったく気にせずに言う。
ノエマ
「街がいっぱいきらきらしてて……
お星さまみたいだねミノリ!」
ミノリ
「はあぁ。あんたはまだまだお子さまだね〜
ノエマ。」
「ほれっいこ。」
ノエマ
「わっ」
冬休みの真っ只中。自然にお互いの指を絡め合い、恋人つなぎのまま二人の女子高生は歩き出した。
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「お!いたいた!おーい!」
「……!」
ざっざっざっ ツルンッ
ミノリ
「あで!」
「いっててて……」
ノエマ
「ちょっと、だいじょぶー?!ミノリ〜!」
「ほら。立てよ恥ずいなあ。もー」
心配して駆けよるノエマと、凍った路面に倒れたミノリに手を差し出したのはーー
ノエマ
「あっハガネちゃん!」
ハガネ
「よお、ノエマ。元気だったか?」
ノエマ
「あっ。うん!元気だよ!フィリムも連れ
て来ちゃった。」
フィリム
「フィー!」
フィリムはノエマのやたら大きなバックからちょっとだけ顔を見せた。
ハガネ
「おーかわいいな。これが例の
『 王子 』か?」
と、ハガネはフィリムをやさしくなでる。
ノエマ
「そうなの。こっそり連れてきちゃった。」
ミノリ
「ちょと待てーい!」
ハガネ&ノエマ
「「??」」
ミノリ
「みんな……なんでいつも偉大なるあたしの存在をそやってスルーできるかな……」
「ミノリちゃんはただただ疑問ですよ……しかし!!」
ハガネ
「だーうっせえなーミノ、ほら周りの人みんな見てっからやめろよもー」
ショッピングモールの入り口付近にいたお客さんや、若いカップルたちが三人の微笑ましい姿を見て微笑んでいた。
ミノリ
「ちなみに『 今日がなんの日 』か、あなたたちはちゃんと分かっているんですかぁ?そもそも」
ハガネ
「あたりめーだろ。全国民が知っとるわ。んなこと。てか、なにキャラだよそれ」
流石の幼馴染。ツッコミも的確である。
ミノリ
「ちっちっち!甘いあまい!」
ミノリのその仕草に若干イラッとするハガネ。
「そう!今日は待ちに待った
『 あの特別な日 』ーー
「クリスマ……ぶほあっ!!!」
ハガネ&ノエマ
「「!!?」」
小学校低学年ぐらいのちびっ子集団が、ものすごい勢いで一斉に走って来てぶつかり、彼女を意図せず舞台から引きずり下ろした。
キッズたち
「きゃあ!みてみて〜!
『 サンタさん 』だあ!」
「わーすげー『 サンタ 』
ってまじにいるんだなあ!」
わいのわいのわい!
ノエマ
「ミノリ……」
ミノリ
「やめえい!……そんな『 生類憐みの令 』みたいな目であたしをみるなノエマ!!かなしくなる!」
その時だったーー
ショッピングモール入り口の前でティッシュを配っていたその『 サンタさん 』が三人の元へと歩いて来る。
そして三人の前に立ったやけに若い感じの『 サンタさん 』はこう言った。
「あのー……ちがったらごめんなさい。もしかして、オラーティオ高校の……」
ミノリ
「えっなんで分かんの??こわっもしかしてサンタの皮をかぶったストーカー?!」
「いや、ちがくてほらっ!オレ」
と、『 若いサンタ 』がもこもこした白いひげをずらして顔を見せた。
ミノリ&ノエマ
「「!!!」」
ミノリ
「ケンタじゃ〜ん!」
「てか、あんたこんなとこで何してんの?」
ケンタ
「やっぱな。ヴァンデミアの声、遠くからでも聞こえたからさ。……」
「あ!今オレ、バイトしてんの。ほら、これやるから使って。みんなの分もあるし。」
と、ミノリにポケットティッシュを三人分ずつ手渡す『 サンタ 』ならぬケンタ。
ミノリ
「………」
「こんなんぜったいにちが〜〜〜う!!」
全員
「「「!!?」」」
ミノリ
「こんなの『 理想のクリスマス 』じゃない……」
『 サンタ 』からの思わぬプレゼントにがっくりと肩をおとしたミノリをハガネがなぐさめる。
ノエマ
「ケンタ……君?おんなじクラスだよね?」
ケンタ
「うえっ?!……はっはい!良かったらこれどぞ……」
ミノリがノエマの耳元でなにやらこそこそとなにかを吹きこむ。
ケンタ
「な、なんだよおまえら……」
すると、ノエマは意を決したようにクラスメイト=ケンタの目を上目づかいで見上げーー
ノエマ
「ケンタ君……
『 めりーくりすまーすっ♪ 』」
ちゅっ♡
と、片目を閉じてヘタクソな投げキッスをお見舞いした。いつの間にか降って来た雪がノエマの頬に偶然落ちて、ぽわんと淡く光っていた。
ケンタ
「 あ。」
『 その瞬間、世界がスローモーションになった。』
ばさばさばさっと手に抱えていたポケティが全部地面に散らばってーー
そして、こう思った。
『私の人生にはもう悔いなど微塵もありません。なぜなら生まれてはじめてそのようなことを、しかも『 超絶美少女 』にされたからに他なりません。』
『神様、天使様、サンタさん。こんなに『 素敵なプレゼント 』をありがとうございます…』
もしそれを予想できたとしても、その不意打ちをひとたび食らえば、誰しも彼のように天に向かって感謝を捧げることになるだろう……
ノエマ
「あれ?ケンタ君?」
ミノリ
「おーい」
「だめだこりゃ。これは完全に『 男子特有の
症状 』だわ。」
ノエマ
「?」
ハガネ
「おい!ノエマ、ミノ先いくぞー」
ノエマ
「あっ!待ってハガネちゃ〜ん!」
ちりん♪
どこからともなく鈴の音が鳴ってーー
ぴょんっ ぼん!
フィリム
「?! あれ??変だな……ノエマ様?」
ノエマ
「フィリム……!だめだよ急に変身したら……」
ミノリ
「だああ!!バカ王子!」
ノエマ
「あっハガネちゃんがいっちゃう……」
ミノリ
「もお〜〜〜!!だれかーー
「わたしのクリスマスを返してくれえぇ!!」
ミノリのその切実な祈りを聞き届けた後、ノエマとミノリ、フィリムは先にショッピングモールに入っていくハガネを追っていった。
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ハガネ
「ミノ、つーか今日まだ『 イヴ 』だかんな?」
ミノリ
「なっなにい!!?」
ノエマ
「ふふっ……あはは!」
入り口から中に入ると、正面には様々な飾り付けをほどこされた大きな『 クリスマスツリー 』が立っていた。
ノエマ
「わあ……おっきいねー……」
ハガネ
「そーいや、ツリー見んのなんか超久々だわ私」
ミノリ
「……みんな勝手にたのしそうにしやがって!」
そして、そのてっぺんに飾られた特別大きな
『 星 』が、まるで本物の星のようにキラリと輝いていた。
ちりん♪
「ほっほ〜〜〜!」
寒空の上で。だれかが忙しそうにしながら笑う声が聞こえた。
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