第25話 スキエンティア降臨
第25話 スキエンティア降臨
(Descent of the Draco Magnificus Omnisciens)
△▽ △▽ △▽
───闇雲に走って
走って走って走って
走り続けた
プルーデンスは最愛の娘をその胸に抱え、
遺跡の最奥を目指し、ひたすらに走っていた。
『 アルテイシア……!!!!!! 』
「お父さん、あっち!」
まるで、迷路のような遺跡の内部を、
幼いノエマがコンパスのように
導いてくれている。
それがプルーデンスには頼もしく、
それと同時に、アルテイシアの面影が
娘と重なる。
「っはあ……はあっ」
「くっ……はあ……かはっ!」
「僕っは……ッ!!!」
何度も立ち止まっては、また全力疾走で
娘が示す方向へと、ひた走る。
「こっち!……お父さんついてきて!」
ぴょんっ
とことことこっ!
「ノエマ!!」
父の胸から下り、一人歩き出した娘の後ろ姿を見て、熱いものが胸に込み上げて来る。
それを決して手放さないように、
プルーデンスは足早に先へと進んでいく。
そして
ついに──
「ここは………」
そこは
とうに滅びた超古代文明の遺跡。
真の『 最奥であり超最深層 』
『 龍の谷 』
の神殿だった。
「お父さん!!ついてきてってばあ!」
娘が僕の手を強く引っ張る。
「あっ!!」
「ああ……行こう」
「ノエマ。」
『アルテイシアが最後に言っていた、
《《この先にある場所で》》、《《光の中に入って》》とは……
ここのこと……なの……か?』
ノエマ&プルーデンス
「「……!!!」」
底は真っ暗で
一番下が見えないほどの『 巨大な穴 』が、
超最深層全体に広がっている。
そのちょうど中央部に位置する場所には、苔生した石で造られた『 光の祭壇 』の様な物が、不自然にも宙に浮かんでいた。
「ここは一体……」
「しかしどうやって……
あそこまで行けば……」
「おおーーーーーいっ!!!」
気付けば娘が大きな声で、
巨大な穴に向かって叫んでいた。
「ノエマ?!」
と
その時だった───
突如
下層から突き上げるような風が巻き起こり
しゃがんでいたノエマの体を空中に浮かせる。
「うおおーーーっとおっ!!!」
「あぶない!!!」
すんでのところで娘をスーパーナイスキャッチしたプルーデンスは、安堵する暇もなく先ほどの神殿の方を見上げ
言葉を失った。
そこには
『 白銀色の光 』を放ちながら
宙に羽ばたく『 大きな龍 』がいた。
そして
その『 龍 』は、僕たち二人にこう言ったんだ。
???
[あれ『 観測者 』は?]
[ん〜〜?]
[ずいぶん小っちゃい女の子がいるなあ……]
[あれがほんとに『 観測者 』なのかな]
[んんっ……]
[良いかんじにかっこよく……]
[いい直さなきゃな。]
[ んんっ!!……]
[………]
[ 我、この龍の谷に仕えし者 ]
[名をスキエンティア]
=ウンブリフェル
・オブスクルクス・ドラコニス]
[『 偉大なる全知の龍 』]
[人々はそう呼ぶ]
[ 汝の希望を聞こう。]
「ッ!!?」
「スキエンティア!」
ノエマは龍の威光にも怯まず、
言葉の先を堂々と言い放った。
「わたしはノエマです! 5才です!」
「こっちは父のプルーデンスです!
まちでせんせいをしています!」
「おねがいです。わたしたちを……
みらいのお母さんのところまで
つれていってください……っ!!!」
スキエンティア
「ノエマ……」
[『……!!』]
[『なにこの子……』]
[かわいい!!!]
[『よし。そしたらぼくがすごくて
かっこいい龍なんだってところを]
[この翠緑の眼のかわいい女の子に
見せてあげなきゃだな。』]
[ ん、んんっ!……]
[『 幼き観測者 』とその父よ]
[汝の希望我が
しかと聞き入れようぞ………]
[そして我が友・テネルクスとの約束を
ここに果たすと固く誓おう]
[ うーんと ]
[ それじゃあ!じゃなくって……]
[ 我の背に……二人とも乗るがいい。]
プルーデンスは色々言いたいことがあったのだが、あえて言わずにそっと胸へとしまい込み、その『 偉大なる全知の龍 』の背にノエマを肩車して先に乗せた。
「お父さんも! ほら、わたしにつかまって」
「んしょっ。……んんーーっ!」
「おっと!ノエマ。ありがとう……。」
スキエンティア
[それじゃあしゅっぱーつ!……]
[じゃなくて!!]
[……神殿へとその希望
導こう。]
そうして、無事?に二人を乗せた(かなり疑念は残っているが)『 大きな龍 』は強く羽ばたき、
あっという間に中央に浮かぶ『 光の祭壇 』へと父とその娘をいざなったのであった。
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