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第15話 いつも一緒、ずっと一緒

 月曜日のお昼休み、お弁当を広げていると、


「ねえ、ねえ。今度時間ない?」


 開口一番、翠ちゃんがそんな事を言いだした。それだけじゃ何の用事なのか解らないんだけど。


「どしたの? どっか行く?」


 葵ちゃんがそれに答えて問いかける。


「そろそろ、夏物でも見に行きたいなーって思ったんだけど、どう?」


「いいねー」


「そろそろ暑くなってくるものね」


 そういう話なら、悪くない。


「いつ頃がいいかな? GW中とか、どう?」


「わたしは何時でもいいけど。舞華ちゃん、空いてる日ってあるの?」


 悠くんの予定は一応記憶しているけれど、念の為に手帳を開いて確認してから答える。


「んーと、来週の月曜日と土曜日は、先輩、午後からアルバイトだからその日とか、あと火曜日も遊びに誘われているみたいだから、火曜日でも大丈夫かな?」


「じゃあ、月曜日でいいかな?」


「場所はいつもの所でいいの?」


「いいんじゃないかな?」


 どんな服買おうかな? 帽子に合う服がいいかな?





「そういえば笠原先輩、アルバイト始めたんだ」


「うん、そう。今週から始めるんだ」


 高校生だし、いろいろお金が必要なんだろう。欲しい物でも有るのかもしれない。


「何の仕事?」


「コンビニだよ」


「へー、みんなで見にいこうか?」


「何処なの?」


「ダメだよ。『来ないで』って言われてるから」


「いいじゃん」


「ダメったらダメ」


「ケチー」


「きっとその辺でしょ? 買い物してたら会うかもね」


「偶然見かけるのはアリよねー」


「……」


 探す気満々だ。確かに文句はいえないけど……。


「まあ、まあ、様子教えてあげるから」


「……わたしは見せてもらえないのに」


 なんか納得できない。仕事姿を見られたらきっと寂しくないのに。


「会える時間が減って寂しいとか思ってるでしょ?」


 なんで分かるんだろ?


「なんで分かるんだろ? って顔してるけど、分かるよねー」


「舞華、先輩の事だけは分かりやすいから」


「ねー」


 二人して笑っているけど、そうかな? そんなに分かりやすいかな?


「そんなに顔に出てる?」


「そもそも思考が単純だから」


「単純かな?」


「先輩に‘会える’か‘会えない’かで機嫌が変わるからねー」


「最近は毎日機嫌いいみたいだけどねー」


「でもアルバイトなんか始めて、大丈夫? 次の日、落ち込んだりしない?」


「有りそう。いや、きっとそうなるよね」


 そんなことないって言いたいけど、自分でも図星だと思う。


「……お昼の時は夜に会えるからきっと大丈夫。でも放課後にアルバイトの時はどうかな……」


 考えていたら、ちょっと寂しくなってきた。


「なんでもう落ち込み始めてるのよ」


「早い! 早いよ! まだ」


「ほら、ほら、そんな顔しないで、今日も帰ったら会えるんでしょ?」


「うん……」


 そうだ、今のうちに甘えておこう。そうすればきっと大丈夫。……たぶん。


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