第7話 最後の仕込み
朝2の鐘つまりは、10時から調理場を貸してくれることになっている。
私は腕時計を持っていた。
今も付けてるけど、他の人に見つかられたくないから周りに人がいる時は鐘の音で判断している。
それでも、困らない。
とても早く買い出しが終わったので、少しぶらぶらすることにした。
私の手には屋台で買った、7Qの焼き鳥がある。
でも、これ日本で食べた焼き鳥より全然大きい。
お肉自体が2倍以上あると思っう。
とりあえず、買わないと行けないものは買えた。
なので、この国の美味しいものを買い込もうかな。私は料理が得意なわけではない。
一般的なものは作れるけど。
そして、作れるレパートリーも少ないのだ。
スープは色々作れるけどね。
私が作ったもので飢えはしないけど、飽きはくる。
だから、ここで、ひとつ買って美味しいものは何個か買っといてアイテムボックスに入れておく。
「おかえり〜。サクラちゃん、料理長がもう使っていいって。僕も手伝うよ。」
帰るとジョンさんが声をかけてくれた。
さっそく昨日の続きを作ることにした。
そして、夕方、夜2の鐘が鳴ったところ、現在5時だ。
明日はパン屋さんにパンを受け取ったらいよいよ出発だ。
軍馬くんと会うのは3日ぶりた。
朝1の鐘がなりそうな8時、5分前。
約束は朝1の鐘がなる頃に行くと言ってあるのでちょうどいい時間だ。
「おはようございます!昨日パンの予約をした、桜ですけど、」
と声をかけると、目にクマを作った女の子が出てきて、「いらっしゃいませ」と声をかけた。
私が頼んだから寝てないのか?
え、どうしよう、、めっちゃ悪いことしちゃったじゃん!!
「ごめんなさい、もしかして、私が昨日急に頼んだから寝ていない?」
クマがすごくて、とても申し訳ないことをしたと思っていた私に対し、女の子は逆に感謝してくれた。
「お客さん、そんな謝らないでください。今日は臨時休業するんです。久しぶりにゆっくり眠れるんです。」
本当に嬉しそうに言った。
嘘ではないようだ。
「それに、今回の儲けが大きいので、明日も休めるんです。とても感謝してるんですよ!!」
言うと同時にお礼もしてくれた。
「少々お待ちください。今待ってきますね。」
そう言って奥に引っ込んでいった。
今日の店内は何も置いてない。
どれぐらい作ってくれたのだろうか?楽しみだ。
「お待たせしました。こちらがご注文頂いたパンです。、、、持てますか?近くでしたら一緒に運びますよ。」
「大丈夫です。容量はとても小さいんですけど、アイテムボックスをもったいるので。でも、一応これは秘密で。」
アイテムボックス持ってる人はいるにはいるようなので大丈夫だろう。
念には念を置いて、秘密にしてもらおう。
儲けが大きいなら、私に悪いようにはしないだろう。
「そうなんですね。もちろん秘密にしますよ!あ、まだ、あるんですけど、ゆとりは大丈夫ですか?」
「多分大丈夫だと思いますけど、だめなら手もありますから。」
大量のパンを購入できた。
本当にありがたい。
海外風にチップとして、多めにお金を渡すことにした。
さて、出発だ。
軍馬くんは女将さんに託してあったので、取りに戻る。