第18話 マサシではなかった
振り向いて、マサシを確認すると、ボロボロの騎士風の服を着ていて、所々、赤い血が洋服や体毛についてる。
痛そうだ。
マサシのことを観察していると、急に口を開いた。
「助けてくれたことには感謝する。だが、」
「ん?マサシが流暢にしゃべった!?」
マサシがしゃべった!!え?え?
あ、というか、話を遮ちゃった。
「ごめん、えっと何?」
「助けてくれたこと感謝する。だが、悪いんだが、俺はお前のペットではないし、犬でもない。マサシでもない。」
え?マサシじゃない?
「確かに、マサシより全然大きいというか、3倍くらいあるし、あんなに洋服着たがらなかったマサシが騎士風の服を来てるし、めっちゃ流暢に話してるし、、え?マサシじゃないの?」
「あぁ、悪いが俺はマサシじゃない。」
なんと!マサシではなかった。
「えっと、マサシではないとして、あなたは誰?なんで、怪我してるの?」
「まず、俺は獣人だ。犬ではない。狼だ。騎士なんだ。いいか、狼だ。狼の騎士だ。」
私の質問にこれだけは譲れないとでも言うように、『狼』を強調してきた。
「獣人?獣人!!狼騎士さんなんだね!」
獣人か!異世界ならではのものだね!!
「俺は3番隊隊長だ。俺は、ここの先にあるで、部下と共に魔物を討伐するという任務に就いていたんだ。」
「ちょっとまって。」
「なんだ?」
「えっと、狼騎士さん?任務の内容話していいの?」
「これは隠すような任務でないから大丈夫だ。」
良かった。こういうのって話しちゃダメとか多いもんね。
「それで、その任務中に俺でもきついくらいの魔物にあって、部下を撤退させるために俺が囮になったんだが、魔物を倒せたのはいいが、この傷で動けなくて、この草原で休憩していたんだが、気づいたらあの状態だった。えっと、名前は?」
「あ!ごめんなさい。私は桜。山本桜。」
やばい、私はまだ、名前を言ってなかった。
「サクラが名前か?」
「そうだよ。サクラ・ヤマモト。サクラって呼んで。」
この世界では、苗字が後のようだ。狼騎士さんが不思議そうな顔をしたからきっとそうだ。
「サクラがいなかったら、俺は奴隷になっていた。」
「奴隷?」
「サクラは奴隷を知らないのか?」
「奴隷って言葉は知ってるけど、ここらへんでは奴隷制度があるの?」
奴隷についてと隣の国の奴隷と狼騎士さんの国の奴隷について教えてもらった。
奴隷のこともそうだけど、獣人も異世界ならではのものだ。
この世界のこと知らずに、軍馬くんとの2人旅だったから、全然知らなかった。
街で奴隷を見てたってことなのかな?
獣人もあの国では見なかった。
分からない。
狼騎士さんにこの世界のことを教えてもらいたいな。
そして、今気づいた、マサシがいるのは、私が元いた世界。
つまり、一緒に召喚されてないからいるはずがなかったのだ。
早とちりにもほどがある。




