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第83話 法律は全部取るよ(弁護士だからね)

 カフェでの昼食後、シルビアちゃんと寮に戻った。

 学院の高等部の寮は変わった造りになっていた。

 中央に広い円形の共用部がありその周囲に4階建ての建物が6棟建っている。

 東側が男子、西側が女子。各棟に約100名の寮生が居住する。

 棟毎に食堂や大浴場があり、2階、3階は風呂なしのワンルームと従者用の4人部屋がある。

 4階の個室は原則として伯爵家以上が上乗せ料金を払うことで使用でき、寝室2部屋にリビング、風呂付きなので従者も同室できる。

 俺はワンルームでも良かったのだが、お母様にやめてくれと言われて4階にした。


 各棟は1年生から3年生までが混在しており、3年生が監督生を務める。

 寮はある程度監督生による自治が行われていた。

 門限は一応午後8時だが、理由を付して申請すれば延長も認められる。


 中央共用部の1階は大広間で、例えば今日の歓迎会や、卒業パーティーなどに利用される。2階はテーブルやソファが多数置かれたフリースペースで、雑談や勉強会など自由に使用できる。

 その上は屋上庭園だ。今は春の花が美しく咲いている。


 俺は、今自室で履修要領と睨めっこだ。

 卒業は単位制で、日本の大学に似ている。

 前期、後期の2学期制。

 前期は4月から7月。後期は9月から3月。8月は夏休み!12月末から1月は冬休み。それから3月までは一応授業もあるが、社交シーズンを過ごしたり、大学入試や資格試験、文官、武官の登用試験など、学外の試験が集中している期間だ。学院生は、大学進学を目指したり、取得したい資格試験をこの時期に受験するらしい。

 必修科目は、座学が国語、数学、物理、一般社会、王国史、基礎魔法学。

 それぞれが1と2まであり、概ね2年生までに履修を終える。

 実技科目は、魔術か武技のいずれか、音楽は楽器か歌のいずれか、そして美術およびダンスが必修だ。

 選択科目は多岐にわたる。

 法律学は、王国法、民事系統、刑事系統にわかれており、これを修了すれば司法試験の受験が可能だ。

 他に社会科学系では経済学、行政学、商学、外交学、領地経営学など。

 人文科学系では文学、哲学、考古学、外国語など。

 そして目につくのは、錬金術、薬学、医学などだが、これはすべて魔術が活用される。

 建築、土木それに農業も魔術が使われる。

 天文学はどうなんだろう。元の世界から見る星空と似ているんだが。


 女子向けには、家政や裁縫、刺繍、料理などもある。家政は、将来結婚して女主人となった場合、家の財政、雇用、家計などを取り仕切るための学問だ。家と言っても、大きな貴族だと数百人を仕切らなければならない。

 また、将来騎士や王国魔術師を目指す者向けに、騎士科と魔術師科が設けられており、3年生から専攻できる。


 耳寄りな情報は、飛び級ないし修了試験があることだ。

 貴族は家庭教師をつけて勉強を進めていることも多いので、学期始めに、希望により飛び級ないし科目修了試験を受けることができる。

 俺は既にこの世界に来たときに、学院の必修科目の勉強は済ませていたし、入学前もシェフィールドにいる間にもう一度勉強した。

 なので、必修科目はすべて修了試験を受ける予定だ。


 実技は武技だけにしておく。俺の魔術は特殊だから。音楽はピアノでいいか。

 あとは選択科目だけど、法律はすべて取ろう。魔術が使われる科目は全部面白そうだ。

 錬金術、薬学、医学、建築、土木、農業。

 まあ、今週見学してから決めよう。


 課外活動という部活もある。

 本当に初めての高校生活だね。せっかくの機会だから少し楽しもうかな。

 段々そういう気になってきた。


 さて、そろそろ歓迎会の時間だ。




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