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女の子の会話


 ガルフが予約をしている場所は現在いる場所から少し歩いたところにあるので、向かうついでに王都内を観光(かんこう)しながらユウトは歩くのであった。


 「やべーなここ。面白過ぎてずっとテンション上がりまくりだ」


 「私も見た事ないものばかりで追いつかないよ」

 

 ユウトとエアリスは、王都の街並みに感動し続けていた。


 「二人共、これからも観光の時間はありますから、今はとにかくご飯に行きましょうよ」


 「そうそう、フィリスの言う通りだよ。これから時間はいっぱいあるからその時にしっかり見に来ようね」

 

 ユウトとエアリスが度々(たびたび)足を止めてしまいそうになるので、フィーは止めない様に二人に言葉をかけるのであった。

 

 ガルフとフィーは今日の王都ぐらいでは日常並みなので、それ程気になることは無いのだが、ユウトとエアリスはとにかく目移(めうつ)りが多かった。

 

 そしてその途中にユウトが見たのはフィーが来ているような黒いローブを着た数人のユウトと同い年ぐらいの集団であった。

 

 この国の学生のようなものなのかと思い、案外(あんがい)元いた世界と似ていると思うユウトであった。

 

 そして歩き続けた結果、予約時間ピッタリに目的地に到着した。


 「さて、なんとか予約時間に間に合ったし中に入ろうか」


 「お腹が減りましたよー」

 

 ガルフとフィーはそのまま中へと入っていくのだが、ユウトとエアリスはその店内の装飾(そうしょく)に足が止まる。

 

 店内は落ち着いた雰囲気(ふんいき)で、食事と調和(ちょうわ)しそうな音楽が流れている。そして店員さんもしっかりと整っており、端的(たんてき)にいうと完璧(かんぺき)であった。そしてそれを見たユウトは自然とここが高級料理店だということを(さと)った。

 

 ユウトは案内される場所がギルドの酒場みたいな場所かと思っていたが、まさかの展開に言葉が出ない。


 「ユウト、ここって絶対に私達が来られるような場所じゃないよね」


 「そうだな。間違いないと思う」

 

 エアリスは最早この店内の何かに(おび)えているのか警戒(けいかい)しているのか、ユウトの服の(そで)をキュと(にぎ)り離れないように(そば)に寄っている。


 「ほらーそこー。イチャイチャしてないで早くこっちに来て下さい」


 「そうそう、ここは俺がお金を出すから心配しないでこっちに来なよ」

 

 腹を空かしているフィーと笑いながらガルフは予約してある席へと呼ぶ。

 

 ゆっくりだが何とか席に着いた二人はガルフからサラダが盛られた皿を受け取る。


 「ほら、まずはこれを食べて」


 「とっても美味しいので二人も食べてみてください」

 

 言われるままにユウトとエアリスはそのサラダを食べると、


 「ん?これ、ちょっと甘めの味付けだけどすっげぇ美味いな」


 「こんなに美味しいもの初めて食べたよ」

 

 ユウトは前にいた世界では味わったことがない味だが、その味がとても気に入った。エアリスも村にいた時の食事はそれ程種類が多くないので、このような味に出会って少々驚いているぐらいだ。


 「美味しいですよね。フィーもここの料理はお気に入りなんですよ」

 

 フィーは相変わらず丁寧(ていねい)かつ綺麗(きれい)に皿に()られたサラダを(たい)らげて次の料理が運ばれて来るのを待っている。


 「二人も気に入ってくれてよかった。これからも料理は運ばれて来るから楽しみにしておいてね」

 

 その後も出てくる料理に驚き楽しみ、そして喜びながら食事を進めるのであった。

 

 そしてすべての出された料理を堪能(たんのう)し今は食後のお茶を飲んでいる。最初は少し抵抗(ていこう)のあった店だったが、今ではユウトとエアリスも座っている椅子(いす)に落ち着いて背を当てられる程である。


 「この店の味はどうだったかな?」


 「とっても美味かったぜ。ありがとうガルフ」


 「ガルフさん。私もこんなに美味しい料理は初めてでとっても美味しかったです」


 「そっか、二人が喜んでくれたなら良かったよ。さて、そうしたらこの後の事だけどユウト君はとりあえず俺と一緒に来てもらうよ。それでエアリスちゃんはフィリスと王都の観光でもしておいで」


 「分かりました。それではフィーはもう少し休んでからエアリスを案内して来ますのでユウとは一旦(いったん)お別れですね」


 「ユウト。気をつけていってらっしゃい」


 「おう。行ってくるよ」


 「それじゃ、支払いは済ませておくから二人は適当に出発しておいてね。そしたら行こうかユウト君」


 「ああ、そうだな」

 

 ユウトとガルフは先に店を出て行ってしまったので、残されたエアリスはお茶を飲むフィーの方を見る。今までは二人の間にはユウトがいたが二人になるのは初めてであった。


 「そういえば、フィーちゃんと二人になるのは初めてだね」


 「そうですね。フィーもエアリスとは少し話をしてみたいと思っていましたしちょうど良かったです」


 「そうだったの。なんでも聞いていいよ」


 「それでは遠慮(えんりょ)なく。……エアリスはユウの事が好きなのですか?」


 「一回目からそんなことを聞いて来るの⁉」

 

 エアリスは予想もしていなかったフィーの質問に耳まで赤くなる。


 「なるほど。聞かなくても分かる反応ですね」


 「うー。そうだけさ、もう少し普通の質問からにしようよ」


 「普通の質問とはどういうものか分かりませんが、まずフィーが知りたかったのはその事だったので」


 「じゃあ、フィーちゃんはユウトの事……が好きなの?」


 エアリスは顔を真っ赤にしながらフィーに聞くのだが、


 「好きというかフィーはユウの仲間ですからそういうのは無いですよ」


 「そっか。なら良かったかな。私もフィーちゃんがユウトの事を好きなったらどうしようかと思っていたから」


 「フィーはまだそういうのはいいんですよ。今は強くなることが先ですから」


 「まぁそれも大事だけど、今しか出来ない事もあるし、私はもう少しフィーちゃんは力を抜いたらいいと思けどなぁ」

 

 エアリスはフィーを見ていると村にいた子供達を思い出していた。フィーは村の子供達よりも少し大人な感じはするが、その姿は急いでいるようにも見えた。


 「力を抜く、ですか。……確かに言われることもありますけど、実際(じっさい)どうやって抜けばいいか分かりませんし、抜いてしまっていいのかも分かりません」

 

 フィーはうつむいていつもの元気な感じではなく少し考えこむように言う。それを見たエアリスも心配になり、


 「フィーちゃんは親が厳しかったりするの?」


 「いや、それは無いです。むしろ甘々(あまあま)ですよ」

 

 バッと顔を起こしてフィーはさらに親についての話を続ける。エアリスはその話を聞いて、フィーはとても愛されていることを知り、そしてその愛に甘えすぎないところもフィーの今なのであると思った。


 「そっか。そうしたら私から言えることは何かあったらいつでも相談してほしいってことぐらいかな」


 「そうですね。その時は頼らせてもらいますよ」


 「うんうん。頼ってね」

 

 そう言って、エアリスはフィーの頭を撫でるのだが、


 「エアリスはユウよりも、頭を撫でるのが上手(じょうず)……じゃないですね」


 「え⁉そんな事ってあるの⁉」


 「まぁ、そんなことはいいですから観光に行きますよ」


 「えー。なんか放っておきたくないけどなぁ」

 

 まさか頭の撫で方でユウトよりも上手くないと言われたエアリスは何とも言えない気持ちでフィーに王都を案内されに店を出るのであった。



 


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