仲間探し
次の日、ユウトは時間の限り変化する依頼書を見ていた。
今日はどこかのパーティに入って、一緒にモンスター討伐の参加をさせてもらおうと思っている。
その為、グループが来た時に声をかけて入れてもらおうと思っているのだが、仮面を着け、最下位ランクの冒険者と一緒に行動したいと思っている奴などいなかった。
ユウトも同じ立場なら仮面を外してくれれば少しは考えるが、それが出来ないなら速攻断る。
しかしそうなると困った。
このままだと、一向に仲間が出来ねぇ。
最悪単騎で教皇のところに行くか?
だけど、もし何かあったら終わりだしな。
何かと、不明な点が多い教皇に一人で挑むのは危険だと思う。
だが、傭兵を雇うとしても金がない。
報酬で稼げば審査にかかるし、どうすればいい。
いっその事身バレ覚悟で仲間を集めるか……。
ユウトは頭を抱えながら考えていると、
「あのっ!よければ一緒に依頼を受けてくれませんかっ!」
声をかけてくれたのは白いローブを着て錫杖を持った髪の青い少女。年は十、三四歳ぐらいに見える。
「……えっ?俺?」
「昨日あなたのことを見たのですけど、あっという間に戻って来て依頼を完了しましたよね。だから一緒に、討伐に出てくれればフィーもモンスターを討伐出来ると思ったので、声をかけてみました」
目を輝かせながら話す少女はどうやら、昨日のユウトが依頼を素早く終わらせて来る一部始終を見ていたようだ。
確かに受付さんも驚いていたし、やっぱり早すぎたか。
そこは反省だな。目立つのはよくないからな。
しかし、一緒に依頼を受けるというのはもしかしたら仲間になってくれるかもしれない。でも、こんなに小さい少女に協力してもらうのもどうかと思うし。
「どうなんですか?行くのですか?行かないのですか?」
折角のお誘いだし、まずは一緒に依頼に出られるだけでもいいか。
「いいのかい俺で?」
「はいっ!一緒にこのモンスターと戦ってほしいのです!」
それに自分で言うのもなんだが、こんなに怪しい奴なのに評価してくれるのは正直嬉しいものがある。
そして少女から見せてもらったのは赤蜥蜴人の捕獲依頼であった。
その赤蜥蜴人は冒険者を何人も追い払っている強敵である。
見た目に合わず、エグイ依頼を持って来た少女に疑問を聞く。
「なんで、この依頼なのかな?」
「フィーが強くなるためです」
フィーと言う少女は即答する。
目をらんらんと輝かせるフィーと言う少女はかなりやる気である。
この少女も、何か訳があるのか……。だが、ありがたい話である。
「よしっ!それじゃあ行こうか」
ユウトも応えるように、冒険へと出かけるのであった。
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現在、標的の赤蜥蜴人を探すために森へと出かけている。
今回の標的は主に自分の縄張りをうろついているという話である。
そして今はその場所に着くまでの間、時間があるので少し話をしている。
「しかし、よく俺に話かけたな。自分で言うのもあれだけど、怪しいとか思ったりしなかったのか?」
「最初に声をかけて少しでも気になるところがあれば、やめようと思っていましたよ。あなたのことは、少しだけ聞いていて何やら顔を見られたくないだとかで昨日来た人?だとかで、礼儀はある程度正しいし、怪しいのは見た目だけの冒険者だと受付さんは言っていましたよ。それに、強いからすぐに審査になるだろうからいろいろ分かるのは時間の問題と言っていましたよ」
「……そうなのか。それなら、それでいいけど。まぁなんだ。やっぱりそんな感じなんだな……」
はぁ。やっぱり怪しまれているのか。
でも、仮面を外してしまうのも怖いのでなんとかうまくならないかな。
でも考えても仕方ないし今はこの子と頑張るしかないか。
「えっと、そういえば、君のことはなんて呼べばいい?」
「フィーの事はフィーと呼んでくれればいいですよ」
「そっか、そうしたら俺はユウ……」
「ユウ?」
「そう!ユウって呼んでくれ」
あぶねぇ。もう少しで名前言うところだったのを言う寸前になんとか言いとどまることが出来て良かった。
ユウトは怪しまれる前にすぐに話題を切り出す。
「それで、なんでフィーは冒険者に?」
「フィーは、最近冒険者になったのですが、いざ一人でモンスターと戦うってことになると少し不安になりまして……、そこでちょうど気になっていたあなたに声をかけてみたというところです」
「俺も正直助かったよ。これからずっとぼっちで討伐するところだったからな。怪我とかしたらどうしようかいつも考えていたよ」
「まぁフィーがいればそんな心配もいりませんね。フィーは強いですから」
そしてその後もフィーと会話をしながら少しずつ目的地に向かって行くと、
「見つけた。あれが、その赤蜥蜴人か」
「そのようですね。あの赤蜥蜴人は、多くの冒険者を返り討ちにしていますから、気をつけて行動しないと」
そして二人は、目的の赤蜥蜴人の縄張りに近づき息をひそめるのであった。




